意識回復の冨田さんに贈る勝利球 亜大 本盗決めた8強

[ 2016年6月9日 05:30 ]

<富士大・亜大>2回2死三塁、三走の亜大・宗接(左)が同点の本盗を決め笑顔を見せる

全日本大学野球選手権第3日・2回戦 亜大4―1富士大

(6月8日 神宮)
 勝負手が決まった。0―1の2回2死三塁。四球、犠打、三盗と無安打で三塁に進んだ亜大・宗接は、初球にスタートを切った。慌てた富士大・小野の投球は乱れて、本盗に成功。「失敗を恐れず思い切っていった」とガッツポーズをつくった。

 小野のクイックモーションを分析し、タイムを計り本盗の練習を繰り返していた。生田勉監督は前日に「(本盗は)誰でもいくぞ。失敗したら監督のせいだから」と説明。持ち味の機動力を生かして無安打で追い付き、6回に勝ち越した。宗接は「亜細亜らしい野球ができた」と胸を張った。

 刺傷され重体だったアイドルで同大3年の冨田真由さん(20)の意識が回復。リーグ制覇のウイニングボールを届け、回復を願っていたナインは「選手権の勝利球も届けよう」と誓い、準優勝した13年以来の8強進出を決めた。冨田さんがゼミの教え子の大島正克部長(68)は「優勝まで届けたい一心でみんな頑張っている」と話し、生田監督は「冨田さんに勇気を届けようと言っていた。一戦一戦頑張りたい」と気を引き締めた。 (青木 貴紀)

 ▼富士大・小野(152キロ右腕。5回2/3を3安打3失点。本盗の場面は)早く投げようとして足が引っかかってしまった。(進路は)まだ決めてません。

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