阪神 貯金2の壁あぁ8連敗 金本監督はミス連発の高山に苦言

[ 2016年6月6日 06:00 ]

<神・西>10回、遊邪飛に倒れた高山(左)の向こうで投手交代を告げる金本監督

交流戦 阪神2―3西武

(6月5日 甲子園)
 貯金2が遠すぎる…。阪神は5日の西武戦(甲子園)に延長12回の末、2―3で敗れた。これで5月7日を最後に、貯金2が掛かった試合は8戦全敗。さらに延長戦も今季通算7度目で0勝4敗3分けと未勝利が続く。金本知憲監督(48)は、攻守両面で試合の流れを左右するミスを犯した高山俊外野手(23)に苦言を呈し、奮起を促した。

 勝てない…。最後の貯金2は約1カ月前の5月7日。それ以降8試合で“王手”を掛けたが、ことごとく敗れている。今季7度目となった延長戦も、これで0勝4敗3分けと未勝利。金本阪神の前に2つの「壁」が立ちふさがり、またも勝率5割に逆戻りとなった。

 「(貯金2が)遠いですね…」

 延長12回の激闘の末に敗れた金本監督の表情にも、さすがに疲労の色がにじむ。ベンチ入り中継ぎ要員の全7投手を使い切った総力戦。他の黒星と「同じ1敗」とは言い切れないダメージが、猛虎に重くのしかかった。

 「きょうは、その2つのプレー(3回の左前打の後逸、8回無死一、二塁のバント失敗)が目立ってしまったね」

 守れていれば…送れていれば…。この試合展開では、どうしても高山が犯した2つのミスが目に付いてしまう。まずは守備面だ。同点の3回1死無走者。秋山の左前打に対して中途半端なチャージをし、打球を後ろに逸らしてしまった。本来なら1死一塁のはずが、1死三塁。続く金子侑に犠飛を打たれ、勝ち越しを許した。そして攻撃面は8回だ。無死一、二塁から送りバントを企図したものの、キャッチャーゴロで三塁封殺。走者を送って1死二、三塁としていたら、外野フライはもちろん、内野ゴロでも勝ち越し点を奪うことができた。だが…。攻守両面にわたるミスが、結果的には致命傷となった。

 ただ、単に断罪しているわけではない。高山を将来の主軸候補として期待するからこそ、指揮官はあえて苦言を呈す。

 「これからレギュラーとして、信頼ある選手になっていくには、きょうみたいなプレーを絶対にやらない(ように)。あと、やるべきことをキチンとできる(ように)。右打ちとかバントとか後ろに逸らさないとか。あとは彼がどう考えるか。こういう日もあるよ、で終わるのか、責任を重く感じて練習に取り組むのか。また方向性が違ってくると思うしね」

 敗戦も、決して無駄にはしない。新人の成長の糧として、発奮材料とする。この布石が、シーズン終盤の勝負所で生きてくると信じている。 (惟任 貴信)

 ≪貯金2は5月7日以来なし≫チームは28勝28敗3分けで勝率5割。貯金1で迎えた試合は5月11日の巨人戦から8連敗しており、貯金2は5月7日以来なし。波に乗れない半面大崩れもなく、5月8日から23試合に渡って貯金1から借金1の間を推移している。

続きを表示

この記事のフォト

2016年6月6日のニュース