広島・鈴木 あと30センチでサイクルならず「そうなんですか?知らなかった」

[ 2016年6月6日 08:00 ]

<広・ソ>2回2死、右越え三塁打を放ち滑り込む鈴木

交流戦 広島2―1ソフトバンク

(6月5日 マツダ)
 わずかな差で偉業達成とはならなかった。同点の9回2死走者なし。広島・鈴木の放ったライナー性の打球は左翼フェンス最上部に当たった。あと30センチ上ならスタンドイン。サヨナラ本塁打が出ればサイクル安打だったが、当の本人はあっけらかんと振り返った。

 「そうなんですか? 知らなかった」。二塁ベース上で浮かべた悔しげな表情は大記録を逃したからではない。「(打撃コーチの石井)琢朗さんに“決めてこい”と言われていたので。2死だったし、長打が打てるポイントに絞っていた。悔しいです」と苦笑した。

 再チャレンジの延長11回は先頭打者で右前打。偉業は逃したものの、その打撃は出色だ。2回2死から右翼フェンス直撃の三塁打を放つと、5回の先頭打者でも左翼線二塁打。7回には1死から左前打で出塁した。右へ左へ広角に打ちまくり、自身初の1試合5安打。「奇跡です」と笑った。

 1月、ソフトバンク・内川が大分、宮崎で行う自主トレに初参加。打撃の極意を教わった。「調子いいね」と褒められる一方、ユニホームの裾が切れている点を指摘され「だらしない」と、たしなめられた。「少しでも成長した姿を見せられたなら、よかったです」。恩返しの5安打でもあった。

 3試合ぶりのスタメン出場。打率は・310まで上昇した。緒方監督は「いい意味で2試合出ていない悔しさが見て取れた」とし、明日7日の先発起用を予告。21歳をたのもしく見つめていた。 (江尾 卓也)

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2016年6月6日のニュース