金本監督“凱旋”飾れず…「ある意味、スッキリした負け方」

[ 2016年6月1日 05:30 ]

<楽・神>試合を見つめる金本監督(右は矢野コーチ)

交流戦 阪神1-9楽天

(5月31日 コボスタ宮城)
 阪神は交流戦開幕戦となった31日の楽天戦(コボスタ宮城)に1―9で大敗し、勝率5割を割り込んで5位に後退した。打線が則本に3安打1得点に封じられ、完投を許した。金本知憲監督(48)は大学4年間を過ごした仙台での監督初戦で凱旋星を挙げられず。「ある意味、スッキリした負け」と気持ちを切り替え、1日以降のナインの奮起に期待した。

 東北福祉大で4年間を過ごした金本監督にとって、“第2の故郷”とも言うべき仙台。現役時代は同地で通算23試合、打率・299、9本塁打、28打点と躍動し、本塁打9本のうち先制弾5本、逆転弾2本とチームの勝敗に関わる打棒を振るってきた。だがタクトを振るった初戦は、皮肉にも3安打1得点の貧打で惨敗を喫した。

 悔しさは、ひとしおに違いない。それでも試合後の指揮官は、後ろを振り返らなかった。心機一転―。この気持ちを、次戦にぶつけるためだ。

 「まあ明日、月も変わって新しい月に入って、また新たにね。きょうはきょうでいいから。最近は負け試合もずっと接戦で、投手を注ぎ込んで中継ぎを酷使させて負けている試合が多い中では、ある意味、スッキリした負け方だからね」

 3点差以上が付いた試合は5月22日以来7試合ぶり。その間の6試合はすべて2点差以内の接戦で中継ぎ陣の酷使を余儀なくされた。久しぶりに喫した完敗らしい完敗を素直に受け止めた上で、「まあ明日、出る選手が本当に自分が勝たせるんだというね。塁に出るとか、打って還すとか、しっかり守るとか、しっかり走るとか、絶対に還ってやるというリードを取るとか…。そういう気持ちがないと。まあズルズルなると思う」とナインの奮起に期待を寄せた。

 「(速球派投手を打てないのは)チームとしての課題。150キロ近い球を投げられると手も足も出んわ。基本的に。それが今年ずっと(続いている)。チームとしてね」

 個別のミスに対して逐一、言及することはなかったが、則本の前に3安打1得点に終わった打線にだけは苦言を呈した。「体の切れとかタイミングとかバットを短く持つとかコンパクトに振るとか、それぞれ、いろいろあると思うから。(いつも)同じように135キロくらいの投手と同じタイミングで打てるわけ無いんだから」。今後もロッテの涌井、日本ハムの大谷ら本格派投手と対戦する可能性がある。他球団のエース級を攻略することは至難とはいえ、打つ手が無いわけではない。この惨敗劇を、発奮の糧にしなければならない。(惟任 貴信)

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2016年6月1日のニュース