山田6年目で11球団制覇弾 16号単独キングに

[ 2016年6月1日 06:50 ]

<日・ヤ>5回2死三塁、2ランを打った山田

交流戦 ヤクルト8-4日本ハム

(5月31日 札幌D)
 広い札幌ドームに、美しい放物線が描かれた。2―0の5回2死三塁。ヤクルト・山田は決めていた。「初球から打つ。どの球種でもコースでも」。いわゆる、決め打ちだ。初球。試合前まで防御率リーグトップだった有原の高め直球を振り抜くと、打球は左翼席最前列へ吸い込まれた。

 7戦ぶりの16号2ラン。同僚バレンティンに1差をつけて、リーグ単独トップに立った。日本ハム戦は初本塁打で、プロ6年目にして早くも自チーム以外の11球団を制圧。「ここは広いし、打ててよかった」と笑った。同じ92年生まれで、履正社時代に広陵との練習試合で対戦経験があった有原には第1打席で3球三振に倒れていたが、第3打席で見事に粉砕した。

 並みいる長距離砲に負けじと、細身の体から放たれる打球はファンの夢を乗せる。真中監督が、自身が指揮する「マツダオールスターゲーム2016」で山田を全セの4番に据える考えを明かしたことを聞くと「ファンが喜んでくれて、野球界を盛り上げるためなら」とキッパリ言った。「4番といえば山田太郎。自分はしっくり来ない」と、漫画「ドカベン」に登場するキャラクターを例に出して本音も漏らしたが、球界を盛り上げるため、若きスターは自身の使命を胸に刻む。

 4月に発生した熊本地震の被災地支援へ、球団が実施したチャリティーオークションで、山田のバットは111万円を超える高値で落札された。「熊本の方の助けになるので、ありがたい」と感謝の思いを口にした。

 6年連続負け越し中の交流戦で白星スタートを飾った。先発が好投して、打線も効果的に得点。「理想的なゲームだった」と頬を緩めた指揮官の足取りも軽やかだった。(町田 利衣)

続きを表示

2016年6月1日のニュース