オコエ、どでかいプロ初安打!「この瞬間、忘れられない」

[ 2016年6月1日 08:55 ]

<楽・神>7回裏1死一、二塁、オコエはプロ初安打となる右前打を放つ

交流戦 楽天9-1阪神

(5月31日 コボスタ宮城)
 ニューヒーローの初安打で華々しく開幕!12年目を迎えた日本生命セ・パ交流戦は31日、楽天のドラフト1位・オコエ瑠偉外野手(18)が阪神戦に「9番・中堅」で2度目の先発出場を果たし、7回の第3打席で右前にプロ初安打。続く8回にも左前打し、マルチ安打をマークした。開幕1軍を勝ち取りながら、プロの壁にぶち当たり、2軍降格を味わった黄金ルーキー。チームの連敗ストップに貢献し、記念の一打とともに大きな自信を手にした。

 こん身の「オコエスマイル」が飛び出した。3―1の7回1死一、二塁。榎田の外角低めシュートを右前に運んだ。プロ入り13打席目で飛び出した初安打。一塁ベース上で両手を上げて喜ぶと、球場中が大歓声に包まれ、大騒ぎとなった。

 「初ヒットの瞬間は忘れられない。この気持ちを忘れず今後もやっていきたい。もっと打てるように頑張っていきたい」

 ムードを変える力も持っている。オコエの初安打を呼び水に、チームはこの回打者一巡で一挙5点。自らも茂木の左前打で三塁から生還し「自分の結果で塁に出て、ホームに還ってくるのは気持ちが良い」と余韻に浸った。

 キャンプから注目を浴び続けた18歳のルーキーは、高卒新人野手としては球団初の開幕1軍入り。だが、7打数無安打と「プロの壁」に苦しみ、2週間あまりで2軍落ちした。イースタン・リーグでも一時は打率・189まで下降した。

 必死にもがく中、変えたのがスイングの軌道だった。それまでは上から叩くダウンスイングで振っていたが、プロでは低めを攻められることが多く「ボテボテのゴロが多くなった」。そこでグリップの位置を下げ「少しだけアッパースイング気味にした」ところ、ライナー性の打球が増えた。この日の第1打席も右飛に倒れたが、低く鋭い打球が飛んだ。「右手がかぶさるので、左手を意識しようと」。左手首に施された黒のテーピングは意識付けのためだ。

 初安打で心の「足かせ」が外れたのか、続く8回1死の第4打席は秋山の初球、高めのカーブを左前打。いきなり、マルチ安打も記録した。

 この日はU―18日本代表でチームメートだった中日・小笠原もプロ初登板で好投。「ソフトバンク相手に凄い。ジャパンで一緒にやっていた仲間みんなで頑張りたい」とライバルの存在を刺激にさらなる活躍を誓った。

 初安打の記念ボールは「どでかい段ボールに入れて、実家に送ります。小さいのは嫌だ」とオコエ。スケールも「どでかい」ルーキーが、最下位に沈むチームを上昇気流に乗せる。(徳原 麗奈)

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2016年6月1日のニュース