【杉本正の視点】小笠原、やはり一流の素材 開き抑える「間」

[ 2016年6月1日 09:25 ]

<ソ・中>ヤフオクドームに迷いこんだハトが飛び立つ前で力投する小笠原

交流戦 中日2-5ソフトバンク

(5月31日 ヤフオクD)
 ソフトバンクの強力打線を5回1安打に抑えた中日・小笠原は一流投手になれる素材だと改めて実感した。

 まずフォーム。右足を上げてからたまる「間」がいい。テークバックから右足が着地するまで長く時間を取れることで、体の開きを抑えられ、かつボールを押し出せる。さらに打者を長く見られることで、例えば打ち気がないと判断すれば、甘いコースでストライクを取りにいくなど自らの意思による対応が利く。球種でいえばチェンジアップ。初回に柳田を空振り三振に仕留めたように、特に左打者にはスライド気味に外に逃げていくので有効だ。

 それにしても18歳とは思えないマウンドさばき。4四球を与えた5回に今宮、内川をともに内角直球で打ち取ったが、あの追い込まれた状況でインサイドに投げきれる。並の新人ではない。

 一方で課題は走者を置いての投球。クイックも1・3秒前半と苦手にしているのだろう。投げ急ぐことでリリースポイントが早くなり、制球が乱れる。あとは右打者に対してもカーブ、スライダーをもっと使えば、投球の幅が広がる。(スポニチ本紙評論家)

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2016年6月1日のニュース