小笠原、初登板で堂々ソフトに5回1失点 無死満塁もしのいだ

[ 2016年6月1日 05:30 ]

<ソ・中>中日先発・小笠原

交流戦 中日2-5ソフトバンク

(5月31日 ヤフオクD)
 プロ初勝利は持ち越しとなったが、堂々のデビューだ。プロ初登板初先発した中日のドラフト1位・小笠原がソフトバンクの強力打線を相手に5回1失点の力投。7四球と制球に苦しみながらも1安打で最少失点にとどめ、勝利投手の権利を得てマウンドを降りた。しかし、2―1の8回に4番手の福谷が逆転され、悔しさを押し殺した。

 「簡単に勝たせてくれる世界じゃない。四球が多く、僕の内容が悪かった。リリーフのみなさんに大変な思いをさせてしまった」。それでも92球で力は存分に示し「やっとスタートラインに立てた」と初々しく話した。

 初回、3番・柳田からチェンジアップで空振り三振を奪い、2回には4番・内川からも145キロ直球で空振り三振を奪った。最速は147キロ。2―1の5回、3連続四球で無死満塁とされたが、踏ん張った。今宮を三ゴロ併殺に仕留めると、柳田への四球後に4番の内川を力ない中飛に封じた。「奇跡ですね」と振り返ったが、勝負球はいずれも内角直球。強気に攻めた。東海大相模のエースとして昨夏の甲子園で優勝投手となった18歳は、肝が据わっていた。

 キャンプは1軍で過ごし、「1軍にいないと、ドラフト1位の意味がない」と言い切った。しかし、開幕は2軍。心の底から悔しがった。2軍でフォーム固めに努めた。24日に出場選手登録され、中継ぎ待機。出番はなかったが、29日の試合後に森ヘッドコーチから「先発させるからな」と告げられた。それも交流戦の初戦。大役に燃えた。

 谷繁監督は「堂々たる投球」と称えた。同じ左腕の敵将・工藤監督も「球に力があるし、楽しみな選手。大きく育ってほしい」とエールを送った。次回は7日オリックス戦(京セラドーム)が有力。小笠原は「レベルアップできるようにやっていきたい」と誓った。

 ▼中日・福谷(8回に4失点で逆転され、2軍落ちが決まり)ああいう場面を任せてもらって4失点は恥ずかしい。(小笠原に)謝ることしかできませんでした。

 ▼小笠原の母美智子さん(42)(神奈川県藤沢市の実家から駆けつけ、バックネット裏で観戦)ヒヤヒヤさせられっぱなしでした。よく頑張ってくれた。「お疲れさま」と言いたいですね。

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2016年6月1日のニュース