鳥谷1番抜てき 金本監督の思い「這い上がってくるしかない」

[ 2016年5月28日 05:30 ]

<巨・神>5回2死、鳥谷は投前内野安打を放つ

セ・リーグ 巨人0-1阪神

(5月27日 東京D)
 心中覚悟のオーダーだった。阪神・金本監督は26日まで5試合連続で8番起用した鳥谷を、この日は一気に1番へと抜てき。そのタクトには、指揮官の思いが込められていた。

 「もちろん(鳥谷は)これから絶対に必要な選手だから。これをきっかけにね。ジャイアンツ戦というのと、交流戦前の追い込みというね。1番で、新しいバッターボックス、まっさらのね。それで本当に一からもう一度、やってみろという思いを込めて1番で。もう状態が悪かろうが良かろうが、関係なしに。それだけチームにとっては、やってもらわないと困る(選手だ)しね」

 26日にはマンツーマン指導を敢行。そしてこの日は打順で思いを代弁した。状態は上がりきらないままだが、このまま手をこまねいているわけにはいかない。どうにかして復調のきっかけをつかんでほしい。そこで選択したカードこそ「1番鳥谷」だった。

 「ある意味、きょうはトリと岩貞と心中という。そういう思いをトリにも分かってほしいし」。やってくれる…いや、やってもらわないと困る―。その一心からの決断だった。

 実は8番起用も、「鳥谷復調計画」の一手だった。「8番を打たせたのも手助けの一つだから。プレッシャーのない打順で、自分の好きなように試せ、という意味の8番だったんだから」。それでも状態が上がってこないため、「じゃあもう、まっさらの打席で」と第1打席で自由に打つことができる1番に据えることを決めた。

 「自分で這い上がってくるしかない。自分で工夫して、考えて、練習して、這い上がってくるしかない。その手助けはいくらでもする」。厳しい戦いを1番で勝ち抜くには、背番号1の力が絶対に必要。だから、1日も早い復調を後押しする。(惟任 貴信)

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2016年5月28日のニュース