東浜 遅刻の汚名返上!涌井にリベンジ8回零封

[ 2016年5月28日 05:30 ]

<ロ・ソ>8回無失点の東浜

パ・リーグ ソフトバンク1-0ロッテ

(5月27日 QVC)
 ソフトバンク・東浜巨投手(25)は27日、ロッテ戦で8回4安打無失点で今季3勝目を挙げた。相手先発の涌井とは5月12日に直接対決し、敗れていた試合のリベンジを果たした。0―0の7回、今宮健太内野手(24)の中前適時打で得た1点を守り、チームは“眼下の敵”を下し5連勝、貯金は今季最多の16とした。

 振り絞った。95球目はこの夜、最速の147キロを計測し、細谷のバットは空を切った。1、2位直接対決の初戦を任された東浜は8回4安打無失点。投げ勝ったのがエース・涌井なのだからその価値は計り知れない。

 「あそこ(最後の打者)は三振を狙いました。5回終わった時点で1回ずつ先を見ずに投げました」。ルーキーだった13年以来3年ぶりの完封はお預けだったが、今季一番の内容で3勝目だ。

 きっかけは涌井だった。5月12日のロッテ戦(ヤフオクドーム)で投げ合い、8回2安打2失点もチームは敗れた。ポーカーフェースで強気に攻める姿にひかれた。「(涌井は)ピンチや走者が詰まっていてもインコースへちゅうちょせず投げる。僕なら行けていません」。衝撃だった。

 この日は涌井が乗り移ったようだった。初回1死三塁。清田に1ボールから2球連続内角への直球でファウル、見逃しと立て続けに内を突いた。最後は外角低めへツーシームで空振りの三振だ。大胆な内角攻めがさえ3回以降は二塁も踏ませなかった。「インコースを攻められた」と納得の笑みだった。

 汚名返上のマウンドだった。前回登板翌日の20日、福岡から午前11時発の飛行機で東京入りしたチームに帯同し、午後は西武プリンスで練習する予定だった。だが、福岡空港にその姿はなかった。ぐっすりと寝入り、目覚めたのは正午頃。プロ入り初の遅刻だった。練習に間に合わず、宿舎周辺を走り、翌日の休日は返上。即「2軍」を通告されてもおかしくなかったが、不問に付した工藤監督の期待に応えた。

 「今季一番じゃないか?しびれる試合だった」と秘蔵っ子の東浜には辛口の工藤監督も珍しく、手放しで褒めた。直接対決を制し、5連勝で貯金は今季最多の16。4ゲーム差と独走態勢だ。

 「8回はボールが抜けていた。そこは力不足かなと思います」。東浜は勝利の余韻に浸ることもせず、次なる目標の完投に切り替えていた。(福浦 健太郎)

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2016年5月28日のニュース