ソフトB今季最多貯金15!交流戦前の首位確定 今宮3号&V三塁打

[ 2016年5月27日 05:30 ]

<ソ・オ>4回2死、ソロを放った今宮はナインの出迎えを受ける

パ・リーグ ソフトバンク4―3オリックス

(5月26日 ヤフオクD)
 ソフトバンク・今宮健太内野手(24)は26日、オリックス戦で決勝打を含む3安打2打点で、今季初の猛打賞を記録した。同戦前まで打率・190だった今宮だが、工藤公康監督(53)らの助言で覚醒。サイクル安打に迫る9番打者の猛打で、チームは今季3度目の4連勝で貯金を最多の15とした。27日からの2位ロッテとの3連戦(QVCマリン)を待たずに、リーグ首位で交流戦を迎えることも確定した。

 8回2死二塁で回ってきた今宮の第4打席。それまでの3打席は単打、本塁打、三塁打。サイクル安打に王手をかけた中で、ストレートの四球で歩かされた。

 「ベンチで先輩からも言われていたので、回ってきたら“打ちたい”と思っていた。打率・207の打者が敬遠気味なのでびっくりした」

 決勝打を放った打席でも驚いていた。3―3の6回1死一塁。8番・鶴岡が送りバント。「2割バッターの僕に、(犠打で)チャンスを広げてくれたので、気持ちだけで打った」。2死二塁からチェンジアップを叩いた打球は右中間を破る適時三塁打となった。

 2―2の4回にも「一番理想とする打球が飛んだ」と、左翼ホームランテラスに3号ソロ。試合前には打率・190だった男が今季初の猛打賞を記録したが、決して偶然ではなかった。

 練習前の早出特打。工藤監督と藤井打撃コーチから「前へ行きながらバットを出せるように」との助言を得た。これまでは球に差し込まれるケースが多かった。その原因の一つが、打つ瞬間に腰を逆にひねるツイスト打法を意識し過ぎるあまり、結果として腰が回らずに体が伸び上がってしまっていた。これではポイントを前にして球をさばけず、差し込まれてしまう。最初はうまくいかず、指揮官に「不器用だな」と笑われたが、必死に考え頭の中で想像した。「テニスの打ち方かな」。踏み出した左足に意識的に体重を乗せる「テニス打ち」にすると、不思議と体はスムーズに動き始めた。

 効果てきめん。思い起こせば、アドバイスをその日のうちに体現できるほど十分に器用なのだ。今季、早出特打の最初にはバランスを取るために「左打ち」を取り入れる。その左打ちでヤフオクドームで柵越えを連発し、見学していた柳田に「左打ちの選手みたいですね。僕は右打席で振るだけで怖いですよ」と言わしめた。

 工藤監督も「順応性、対応能力がある。あの感じを失わないように、きょうが一つのきっかけになってくれれば」とさらなる期待を込めた。「一つ、いいものを教えてもらった」と今宮。あとはこの感覚を手放さないよう体に染み込ませるだけだ。そのためには今宮の口癖でもあるように「練習あるのみ」だ。 (福浦 健太郎)

 ▼ソフトバンク・藤井打撃コーチ 彼は器用貧乏なところがある。きょうのイメージでずっと打ち続けてくれればいい。

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