キレなしメッセ「中4日」の心配事 休養不十分?

[ 2016年5月23日 09:20 ]

<神・広>7点を失ったメッセンジャーは4回途中で降板

セ・リーグ 阪神5-10広島

(5月22日 甲子園)
 【内田雅也の追球】阪神先発ランディ・メッセンジャーが大量5失点した3回表は関係者喫煙室にいた。

 観戦に訪れていた元阪神電鉄本社・球団役員が「ピッチャーにも粘られてたからねえ」と言った。この回先頭の投手・中村恭平に2ボール―2ストライクから3連続ファウルされた時から心配だったそうだ。OB会長・川藤幸三もいた。松山竜平に浴びた逆転3ランについて「あの高めボール球の真っすぐを持っていかれるんやから」と話した。「普通は打ってもファウルにしかならん。いかにキレがないかっちゅうこっちゃ」

 結局、3回1/3で実に94球を投げ8安打7失点。走者を背負い、本塁打、長打を浴びるパターンで大量失点となった。なぜキレがなかったのか。確かな原因は分からないが、一つ心配事がある。

 今回は今季初の「中4日」での登板だった。17日中日戦(甲子園)で7回1失点、107球を投げていた。あの登板はナイターで、この日はデーゲームだから、休養はさらに短く、実質「中3日半」だった。

 今も「中4日」が主流の大リーグでも、この休養で十分かとの論議がある。ダルビッシュ有(レンジャーズ)が2014年オールスター戦前日の公式会見で「中4日は絶対に短い」と発言し波紋をよんだ。「球数は関係ない。120球、140球を投げても中6日あれば靱帯の炎症もとれる」。自身も翌年にトミー・ジョン手術を受けた。

 今季、大リーグ移籍した前田健太(ドジャース)は開幕3連勝から3連敗。スポーツ専門局ESPN(電子版)は「中4日が負担になっているのか」との記事を掲載した。8試合に投げ、中5日以上で防御率0・97、中4日で5・16と苦しむ。

 ウォールストリート・ジャーナル(電子版)も田中将大(ヤンキース)について「もう1日の休みが全てを変える」と題した記事で日本人投手の「中4日」への適応を案じている。

 メッセンジャーは大リーグ時代の登板(173試合)は全て救援。先発していたのは21歳だった03年、2A時代だ。

 来日当初の救援から先発に回り7年目。日本で先発になった投手だ。昨年まで4年連続で190イニング以上投げる「イニング・イーター」で貢献度は高い。幾度もこなしてきた「中4日」登板だが、この日の投球を見ると心配である。(スポニチ本紙編集委員)

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2016年5月23日のニュース