“甲子園の申し子”広島・磯村 プロ初打点が12回V打「駄目もとで」

[ 2016年5月21日 05:30 ]

<神・広>12回、勝ち越し適時打を放った磯村は菊池の適時三塁打で生還し、ナインの出迎えに笑顔満開

セ・リーグ 広島4―1阪神

(5月20日 甲子園)
 5時間5分の激闘。時計の針が午後11時を回ったグラウンドで、広島・磯村はヒーローインタビューを受けた。懐かしの甲子園。ほてった頬に浜風が心地良かった。

 「追い込まれていたし、必死に食らいついた。割り切って、駄目もとで打席に入った」。1―1で迎えた延長12回2死三塁。フルカウントからの7球目、榎田のチェンジアップを思い切り引っ張った。三遊間を抜ける勝ち越しタイムリー。プロ6年目での初打点がうれしいV打となった。

 「(甲子園で活躍できて)ホントに良かった」。高校野球ファンならずとも、磯村といえば甲子園を思い浮かべる。華麗なる一族。祖父・錦吾さんは愛知商、父・吉範さんと叔父・昌輝さんは中京大中京の前身・中京で。そして兄・拓範さんと磯村自身は中京大中京で甲子園に出場した。磯村は2年春から4季連続で夢舞台に立ち、09年夏には1学年上の堂林(現広島)とバッテリーを組んで全国制覇。10―9で勝った日本文理との決勝戦は、今でも語り草だ。

 「自分は、少ないチャンスをものにできるか、という立場。ベンチにいても“磯村がいる”という雰囲気を出したい」

 6日のDeNA戦(マツダ)では、12年のプロ初安打以来4年ぶりの安打を記録。この日は8回から捕手の守りに就き、延長10回の中前打と合わせてマルチ安打を放った。「一日一日、常に必死でやっている」。甲子園の申し子の快打でチームは連勝、2位を守った。

 ▼広島・緒方監督 9回に執念で追いついてくれた。2日続けて長いゲーム(前夜ヤクルト戦は延長10回)だったけど、疲れも吹っ飛んだね。

 ◆磯村 嘉孝(いそむら・よしたか)1992年(平4)11月1日、愛知県生まれの23歳。中京大中京では2年春から4季連続で甲子園に出場。10年ドラフト5位で広島入団。12年10月6日のヤクルト戦でプロ初安打。1メートル78、89キロ。右投げ右打ち。今季年俸615万円。

続きを表示

この記事のフォト

2016年5月21日のニュース