4戦連発の大谷 中田と7度目アベック弾、パ完全制覇

[ 2016年5月12日 05:30 ]

<日・オ>3回無死一塁、大谷は野手出場4戦連発となる7号2ランを放ち打球の行方を追いジャンプする大谷

パ・リーグ 日本ハム6―2オリックス

(5月11日 東京D)
 4番がつないでくれたからこそ、打てた。日本ハムの5番・大谷は中田に感謝していた。

 「中田さんが先頭で(左前打を放って)出てくれたので、それが大きかったと思います」。2点リードの3回無死一塁。ひと振りで仕留めた。東明の初球。142キロ直球を叩いた打球は「ちょっとこすり気味で入らないと思った」。それでも逆方向の左翼席まで届いた。打者として、4試合連発となる7号2ラン。球団では13年本塁打王のアブレイユ以来3年ぶりとなる快挙だが、投打の二刀流で達成したのだから、その価値は高い。

 試合前のフリー打撃でスコアボード右横の看板を直撃する150メートル弾を放った。それを見た前GMで山田正雄アマスカウト顧問は「パワーはついたが、高校生の頃から打撃はこのくらいやれると想像していた」とほほ笑んだ。メジャー挑戦を表明していた花巻東の大谷を、ドラフトで強行指名したのが同顧問。「特長は逆方向へ強い打球を打てること。もう一つはスパッとバットのヘッドが走る」。160キロの剛速球だけでなく天性の打撃センスも見抜いていた。

 成長は肉体改造の成果でもある。昨オフ、地元・岩手でトレーニングし、高校時代の友人宅でシャツを脱ぐと「背中に羽みたいな筋肉がついている」と驚かれたという。今季7本塁打中、左翼方向は5本目。生まれ持った才能に加え、努力で鍛え上げた肉体があるからこんな打撃ができる。

 初回に先制2ランを放っていた中田とは通算7度目のアベック本塁打。「平成のONアベック弾」はオリックス戦では初で、パ・リーグ5球団相手に完全制覇となった。

 13日からの西武3連戦(札幌ドーム)では15日の先発に備え投手調整に専念する。栗山監督は「何度も言うが、勝つために二刀流をやっている。先発で勝てなければ打席に立たせない。そうでないとチームに迷惑が掛かる」と力を込めた。「投手・大谷」として今季2勝目を狙い、17日のソフトバンク戦(北九州)では「打者・大谷」が5戦連発を狙う。この二刀流からは目が離せない。 (横市 勇)

 ≪「5戦連発」ならクルーズらに次ぎ4人目5度目≫大谷(日)が4試合連続の7号。チームで4試合連続本塁打は13年のアブレイユ以来で、日本人では10年の中田以来6年ぶりとなった。なお、5試合まで伸ばすと、日本ハムでは73年大杉勝男(当時日拓)の6試合、69年大杉(当時東映)、80年クルーズ、81年ソレイタの各5試合に次ぎ4人目で5度目となるがどうか。なお、投手の最多連続試合本塁打は、69年成田文男(ロ)、71年村上雅則(南海)、76年平松政次(大洋)の各3試合となっており、登板試合で4試合連続弾はいない。

 ≪アベックでパ完全制覇≫大谷、中田のアベック本塁打は4日のソフトバンク戦以来7度目。オリックス戦では初のそろい踏みとなり、パの対戦5球団を制覇した。
 

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