忘れた頃の大和V弾 722日ぶりプロ通算2号

[ 2016年5月6日 05:30 ]

<中・神>7回表2死、大和は先制となる左越えソロホームランを放つ(投手・山井)

セ・リーグ 阪神1-0中日

(5月5日 ナゴヤD)
 金本阪神が掲げる超変革の野球には、こんな「超伏兵」もいる。今季初の1―0勝利。虎の子の1点を叩き出したのは、大和のバットだった。7回2死で山井の初球、高めの123キロスライダーをガツン。決勝1号ソロを左翼席に叩き込んだ。

 「初めての感覚。打った瞬間に入ると分かった」。昨季までプロ10年間でわずか1本塁打。14年5月14日の広島戦(米子)で放ったその初アーチから、722日ぶりとなるプロ通算2本目だ。1号までは入団から1172打席を要したが、そこから651打席目に飛び出した一発だった。

 もう、守備と小技の男ではない。大和も「超変革」の申し子の一人だ。昨秋キャンプでは就任直後の金本監督から熱血指導。「打撃が小さくなっている。右打ちにこだわるな。引っ張っていい」と助言された。強く振る。その意識を徹底し、「当たりさえすれば、あそこまで飛ぶと分かっていた」と豪快に引っ張った。指揮官も「今年はあと4、5本ぐらいは出そう」と太鼓判を押した。

 昨年8月9日に第1子の長男が誕生。大和にとっては、こどもの日に放った記念すべき「パパ1号」でもあった。1日のDeNA戦では甲子園で今季初のお立ち台。球団マスコット・トラッキーの人形をゲットした。「(活躍すれば愛息の)遊び道具も増えるので。頑張りたい」。ハッスルする材料には事欠かない。

 チームは鬼門ナゴヤドームで連勝。3連戦に勝ち越し、中日をかわし3位に浮上した。「僕のような小さな選手でも本塁打が打てる。大きい夢を持って頑張ってください」。こどもの日。球場には大勢の子供たちがいた。1メートル77、68キロの大和は、自らのバットで無限の可能性を証明してみせた。

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2016年5月6日のニュース