【中畑清の視点】巨人・菅野は江川と北別府の“いいとこ取り”

[ 2016年5月6日 08:50 ]

<巨・広>2失点完投で4勝目を挙げた菅野

セ・リーグ 巨人4-2広島

(5月5日 東京D)
 平均試合時間が軽く3時間を超える時代にわずか2時間3分。菅野に尽きる。全盛期の江川卓をほうふつさせるテンポと球威。でもそれだけじゃない。真っすぐとカーブしかなかった卓と違ってワンシーム、スライダー、フォーク、カーブ…。多彩な変化球をコースにきっちり決める。その切れと内外に出し入れする制球力は北別府学。昭和後期を代表する2大エースのいいところを持ち合わせてるんだ。

 ここぞでの投球は圧巻。特に狙って奪った3つの三振が凄い。初回2死二塁で松山のバットに空を切らせたインハイ、7回1死二塁で今度は松山のバットがピクリとも動かなかったアウトローの真っすぐ、そして8回2死一塁、田中への内角に落とすスライダー。7回天谷に打たれた2ランもリードが3点なければ違う配球になっていたと思う。去年より増した球威と制球力、そして投げたい球を投げ切る勇気。総合力でこれだけ優れた投手はめったにお目にかかれない。

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2016年5月6日のニュース