中日・福敬登“レジェンド”受け継いだルーキーのポジティブ生活とは

[ 2016年5月6日 10:30 ]

中日・福敬登投手

 レジェンド山本昌氏の背番号34を受け継いだ左腕の、ポジティブ生活が気になっていた。今年1月、名古屋市内にある昇竜館に入寮したドラフト4位の福敬登投手(23=JR九州)は、元プロテニスプレーヤー松岡修造氏著の日記帳「あなたの365日を応援する 修造パワーダイアリー」を持参。「今日は意気込みみたいなものを書こうと思います」と笑顔を見せていた。

 日記帳には、その日のタイトルを書く欄があり、松岡氏が60個の応援メッセージを送り、36個のエクササイズも提案。笑顔の練習の仕方や「大丈夫」となぞり書きするページもあるという。

 「あれから毎日書いてますか?」と聞くと… 

 「書いてますよ!」。しかし、すぐ「あ、コーヒーをこぼして、書けなくなった7日間以外は、ですけどね」と慌てて訂正した。3月、ゆっくり喫茶店で日記帳を広げていたらコーヒーをこぼして『うわ、やっちまった~』となったそう。喫茶店で日記帳を広げるプロ野球選手、さらにコーヒーをこぼして、1人大慌てする光景を想像して親近感が沸いた。

 どんなことを書いているのかというと…。例えば、「ブルペンでの自分の役割を書いたりしています。先輩がこうやっていたからこうしようというもの書いたりしてますよ」とのこと。気分によって顔のマークに印をつける欄がある。3月25日阪神戦(京セラドーム)でのプロ初登板は、中継ぎで1/3を無失点で「ホッとしたから」やさしいマーク。31日広島戦(ナゴヤドーム)のプロ初先発は3回2/35失点と「打たれてしまったから」泣きマークだった。4月30日、広島戦(マツダ)で1回4失点(自責3)だった日は、ついに“大丈夫”と書きなぞるページを書きなぞってしまったらしい。

 「自分を振り返る、いいきかっけになる」と言いながら、実は「根に持つタイプ」と自己分析。「自分への悪口を書いていたりする日もあって、読み返したら、その時のイライラがめっちゃ出てきちゃったりするですよね」と苦笑いしていた。

 チーム内では東山動植物園のイケメン過ぎるニシローランドゴリラ『シャバーニ』に似ていると評判で、愛称は『シャバーニ』。本人も気に入っているが、何より愛嬌(あいきょう)のある笑顔が印象的な好青年だ。新人では唯一の開幕1軍入りを果たし、5日までに8試合に登板。「ポジティブだったはずなのに…読み返すとイライラする…、もう一冊、買い直そうか悩んでるんです」。とっても真面目な背番号34。何事も勉強と経験の1年目を、日記帳で振り返り、近い将来、自分の成長を感じる日が来るだろう。待ち遠しいプロ初勝利の日、それ以外にも修造ダイヤリーにつづった内容を、また聞いてみたいと思った。(記者コラム・細川 真里)

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2016年5月6日のニュース