巨人、苦心の純国産ローテ…試練6連戦 プロ1勝江柄子抜てき

[ 2016年5月3日 06:12 ]

ミーティングをする巨人の先発ローテ組

 2年ぶりの「純国産ローテーション」で首位攻防戦に臨む。3連敗中で2位に転落した巨人は3日から本拠地の東京ドームで6連戦を行い、首位・広島と3位・中日を迎える。不調のアーロン・ポレダ投手(29)の2軍調整に伴い、高橋由伸監督(41)は先発ローテーションを再編し、4日の広島戦で江柄子裕樹投手(29)を先発起用する。14年終盤以来となる日本人投手だけの先発陣で、試練の6連戦を乗り切る。

 ジャイアンツ球場で行われた先発陣の練習。キャッチボールやノック、最後はバント練習と約2時間行われたが、助っ人投手の姿はなかった。「いる選手たちでやっていくしかない」と話す高橋監督は、今週の6連戦に5年目右腕・江柄子の抜てきを決断。さらにもう一枚先発が必要な状況で、2年ぶりとなる助っ人投手不在のローテーションを組むことになった。

 先発陣の台所事情は厳しい。誤算は外国人投手2人だった。来日1年目の昨季8勝を挙げ、今季もシーズンを通した活躍が期待されたポレダは制球難に苦しみ、1勝3敗、防御率4・00。上昇気配がみえず、4月30日に2軍降格した。昨季チーム勝ち頭の13勝を挙げ、同じく2年目のマイコラスも開幕前に痛めた右肩のリハビリ中で、6月中の復帰を目指している。

 前カードのヤクルトとの3連戦で3連敗し、首位から陥落。3日からは首位を明け渡した広島を本拠地に迎える。リーグトップのチーム打率・283を誇る打線を相手に初戦から田口、江柄子、エース菅野。プロ通算1勝の江柄子は、2軍で3勝1敗、防御率1・32と結果を残して2年ぶりの1軍登板をつかみ「テンポ良く。打たせて取るピッチングをしたい」と自身の投球を貫く。連敗を止め、江柄子の重圧を和らげてバトンを渡したい田口は「気合十分です。広島相手には一回も勝っていない。今年はドームでも勝っていないので」と意気込んだ。

 次戦の3位・中日との3連戦では6日の初戦に大竹寛か右横手投げの新人・長谷川のいずれかが先発する。大竹寛は昨季の中日戦で1勝1敗、防御率2・51。相性は悪くなく、経験も豊富だ。育成ドラフト8位で入団し、開幕直後に支配下登録された長谷川は2軍で2勝1敗、同2・67と安定した成績を残しており、大抜てきでデビューする可能性は十分にある。首脳陣はここ数日の調子を見極めて最終決定する。

 リーグトップのチーム防御率3・12で、ここまでチームを支えている投手陣。駒不足が否めない先発陣だが、上位球団同士が激突する今6連戦は踏ん張りどころだ。(川手 達矢)

 ≪14年以来2年ぶり≫巨人のローテーションが日本人投手のみとなるのは、14年のレギュラーシーズン最終8試合以来になる。同年はセドンが外国人投手で唯一、先発で10試合登板。だが最終登板した9月25日中日戦前は約1カ月登板がなく、8月8日中日戦以前の約3カ月間も登板はなかった。そのため5月以降はほとんど日本人でローテーションを組み、主な顔ぶれは杉内、内海、沢村、菅野、小山、大竹ら。昨季はポレダが24試合、マイコラスが21試合に先発していた。

続きを表示

この記事のフォト

2016年5月3日のニュース