慶大・柳町達ら“大学のルーキー” 若い力で神宮を沸かせ

[ 2016年4月30日 09:30 ]

法大戦で右越え本塁打を放つ慶大・柳町

 大学のルーキーたちが神宮を盛り上げている。東京六大学野球、東都大学野球の春季リーグは3週を終え、熱い戦いを繰り広げているが、3月まで高校生だった初々しい顔ぶれが先輩に負けじと奮闘中だ。

 東京六大学で注目は、開幕戦で圧巻のデビューを飾った慶大・柳町達(たつる)外野手(1年=慶応)。9日の法大1回戦で9年ぶりの新人開幕戦アーチとなる右越え2ランを放った。慶大の偉大な先輩である巨人・高橋監督でも初本塁打は2戦目。「高校通算30本塁打ぐらい」という新人は「セールスポイントはミート力。広角に打てれば」と語る。

 リーグ通算15本塁打を記録した左の強打者・谷田が今春卒業し、JX―ENEOSに進んだ。柳町は慶大の新たな左の長距離砲として期待されており、ここまで全6試合に出場し打率・273。「勝てるようにどんどん打ちたい」と意気込む。

 東都では、7季ぶりに1部復帰した東洋大の新人が投打で活躍している。8日の専大3回戦は山下雅善投手(1年=東邦)が好救援で勝ち点奪取に貢献。野手では昨夏U―18高校日本代表の主力だった津田翔希内野手(1年=浦和学院)が13日の中大2回戦で決勝の左越え3ランを放った。

 その活躍が他大学のルーキーの心にも火を付ける。昨夏の甲子園で関東第一の主将を務め、楽天・オコエとともに4強入りの立役者となった国学院大・伊藤雅人内野手(1年)は、先輩から「東洋の1年(津田)が打ってるぞ!」とハッパをかけられ、14日の日大3回戦で2安打3打点と奮闘。鳥山泰孝監督は「各大学でいきの良い1年生が活躍している。うちにもいるぞ、という気持ちがあった。それに応えてくれた」と目を細めた。

 ほかにも、専大の池間誉人内野手(1年=糸満)や平湯蒼藍内野手(1年=海星)はリーグ初本塁打をマーク。昨夏の甲子園で早実の主将で4番を務めた早大・加藤雅樹捕手(1年)も代打要員としてベンチ待機し、虎視眈々と殊勲打を放つ機会をうかがっている。

 これから春季リーグは後半に向かい、し烈な優勝争いを展開していく。「1年生パワー」は上級生にとってもよい刺激となり、チームをもり立てる。若い力でもっと神宮を沸かせてほしい。(記者コラム・青木 貴紀)

続きを表示

2016年4月30日のニュース