清原被告、売人から「ひとつ」4万円で…小林被告が赤裸々証言

[ 2016年4月28日 05:45 ]

覚せい剤0・6グラムを4万円で売買していた清原和博被告

 元プロ野球選手の清原和博被告(48)=覚せい剤取締法違反で起訴、保釈中=に覚醒剤を譲り渡したとして、同法違反(譲渡)の罪に問われた群馬県みどり市の無職小林和之被告(45)の初公判が27日、東京地裁(室橋雅仁裁判長)で開かれた。小林被告は起訴内容を認めた。清原被告が「ひとつでお願いします」と言うだけで、「1パケ(覚醒剤1袋分)と注射器2、3本を4万円」で入手する取引が成立していたことも明らかになった。

 小林被告は紺色のスーツに白のワイシャツ姿で出廷。起訴内容について「間違いありません」と認め、ほとんど表情を変えることはなかった。

 検察側は冒頭陳述で、小林被告は2014年8月ごろから、清原被告の注文を受けて覚醒剤を譲り渡していたと指摘。今年1月31日に覚醒剤を譲渡する前に、清原被告が小林被告に電話をかけ、注文する際のやりとりも明らかにした。

 清原被告「今、大丈夫ですか?」

 小林被告「大丈夫です」

 清原被告「大丈夫ですか?ありますか?」

 小林被告「大丈夫です」

 清原被告「では、ひとつお願いします」

 「ひとつ」とは「1パケ(覚醒剤1袋分)と注射器2、3本を4万円で」の意味で、「以前から買っていたので、これだけで話は通じた」という。1パケとは薬物を小分けにした袋のこと。小林被告は0・6グラムを基準に薬物を入れていた。

 さらに

 清原被告「パイプはありますか?」

 小林被告「使ったものならありますよ」

 清原被告「中古でもいいから欲しい」

 吸引器具も求めたという。昨年9月1日には「ふたつ」(1・2グラム分)を8万円で取引したことも認めた。

 薬物取引に詳しい関係者によると、覚醒剤1回分の使用量は平均0・03グラムとされている。末端価格は1グラム当たり約7万円が相場。小林被告は仕入れた額と同額で清原被告に譲り渡し、今年1月の取引では薬物約1グラムを入れた1パケに「おまけ」として少量の覚醒剤を付けたという。移動経費などは自己負担していたため「取引は赤字だった。私は清原さんの信者なので、もうけようという気持ちは全くなかった」と供述した調書内容も明かされた。

 歌手のASKA(58)が覚醒剤3グラムを36万円で入手していたように、著名人は口止め料も込みの割高な価格で購入することが多い。

 一方で、弁護人から覚醒剤の入手先を問われた小林被告は「地元が田舎なので言うとちょっと怖い」と証言を拒んだ。

 起訴状によると、昨年9月1日ごろ、群馬県太田市のホテルで覚醒剤約1・2グラムを8万円で、今年1月31日ごろには同市のコンビニ店駐車場の車内で、約0・6グラムを4万円で、それぞれ清原被告に譲り渡したとしている。

 次回公判の日程は未定だが、小林被告の実兄と元妻が情状証人として出廷する予定。清原被告の初公判は5月17日に開かれる。

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