山本功児さん通夜で決意新た 武白志1軍で天国へアーチ届ける

[ 2016年4月26日 05:48 ]

報道陣の取材に、気丈に対応する長男の武白志

 巨人、ロッテでプレーし、ロッテ監督も務め、23日に肝臓がんのため64歳で死去した山本功児(やまもと・こうじ)氏の通夜が25日、神奈川県横浜市の斎場で営まれた。巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(80)、元巨人で前DeNA監督の中畑清氏(62=本紙評論家)ら約400人が参列。戒名は「球道 功志 居士(きゅうどうこうしこじ)」。長男でDeNAに育成選手として所属する山本武白志(むさし)内野手(18)が父との思い出を語った。

 焼香台には84年ダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデングラブ賞)のトロフィーや、父子のツーショット写真が置かれていた。「息子が言うことでもないが、よく耐えて頑張ったと思う。父は人前に出るのが嫌いだったけど、最後くらいはしっかりお葬式をやってあげたい」。涙は見せなかった。21日朝にチームを離れ北九州市の自宅に向かった。すでに会話ができないほど病状は悪化していたが、父の手を強く握った。

 「父がいなかったら野球をやっていない。甲子園にも命がけで来てくれた」と感謝。昨夏の甲子園3回戦、作新学院戦では左越え決勝ソロ本塁打を放ち、試合後のあいさつで客席の父と目が合った。「一番喜ぶのは本塁打。まだ親孝行しなきゃいけなかったけど、なんとか甲子園に出られた」と振り返った。

 実は今春キャンプ中にも球団に帰省を許可されていた。だが、功児氏から「育成選手なんだから帰ってくるんじゃない」と言われ、野球に打ち込んだ。「父の遺志を継いで…」と武白志。1軍で活躍することを誰よりも願っていた父のために、まずは支配下選手になることを誓った。(渡辺 剛太)

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