中日ビシエド逆転満弾 起死回生リーグトップ7号「最高の瞬間」

[ 2016年4月25日 05:30 ]

<中・ヤ>8回1死満塁、逆転の7号満塁本塁打を放ち、ナニータ(左)と笑顔でポーズを決めるビシエド

セ・リーグ 中日5―3ヤクルト

(4月24日 ナゴヤD)
 これぞ助っ人。打った瞬間に誰もが確信した。中日のビシエドが来日初の満塁アーチ。推定130メートルの特大弾を左中間スタンドに叩き込み、敗色濃厚のチームを一振りで救った。前日(23日)、9回に2発を食らって逆転負けしたムードも一変させた大男は、お立ち台で白い歯を見せた。

 「最高の場面で回してくれた。興奮する場面でいい仕事ができた。日本で逆転満塁弾!最高の瞬間でした」

 2点を追う8回の攻撃。ヤクルトの3番手・ルーキが四球を連発し1死満塁の絶好機。第3打席まで内野ゴロだった助っ人は、加藤打撃コーチから「打ち急いでいる。四球でもOKだから、落ち着いて高めを狙え」とアドバイスを受け、じっくり待った。カウント3ボール1ストライクからの甘い変化球を見逃さなかった。米大ホワイトソックス時代、13年8月21日のロイヤルズ戦以来のグランドスラムだ。

 リーグトップタイの今季7号。2種類のバットを使い分けて量産中だ。約880グラムの米国製で4本。約900グラムのミズノ製で3本。この日の一発はミズノ製。同社の担当者によると「米国製より重いけど、振った感覚は軽く感じる」という。春季キャンプから試行錯誤して作った相棒が、最高の場面で火を噴いた。

 月間MVPも見えてきた。新外国人が、そのシーズン最初の同賞を獲得すればセ・リーグ初の快挙となる。両リーグでも01年の西武・カブレラ以来。谷繁監督も「4番の存在感」と賛辞を惜しまなかった。 (水口 隆博)

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