マー君 進化したシンカー 2勝目お預けもサヨナラ呼ぶ快投

[ 2016年4月25日 05:30 ]

<ヤンキース・レイズ>5回、キーマイヤー(右奥)に勝ち越しソロを許し渋い表情を浮かべる田中(AP)

ア・リーグ ヤンキース3―2レイズ

(4月23日 ニューヨーク)
 ヤンキース・田中は勝敗こそ付かなかったが、7回を5安打2失点で先発の役割を十分果たした。チームは9回にガードナーに本塁打が飛び出し、今季初のサヨナラ勝ち。常にゼロを求める男が表情を緩めないのはいつも通りだったが、ただ一つだけ違うワードがコメントに交じった。

 「今日は特に右バッターへの、外の“シンカー”が良かった。見逃しでストライクが取れたり、結果的に打ち取ったりというのが結構あった」

 シンカー。これまでは「ツーシーム」と口にしてきた。田中によれば「特に意図はないですよ。同じですから。ただこちら(米国)ではシンカー(沈む球の総称)と呼ぶことが多いので」と他意はない。それでも進化を感じる場面が随所にあった。初回先頭の右打者フォーサイスの初球、自ら強調した「バックドア」の外角シンカーでストライク。2回1死のジェニングズも初球に同じ球でカウント有利にし、逆の軌道の外角スライダーで空振り三振に仕留めた。右の主砲ロンゴリアも外角スライダーとの出し入れで攻め、3打席とも最後は外角シンカーで外野フライに抑えた。

 その一方で、許した5安打は全て左打者。1点リードの4回2死三塁でディカーソンを2球で追い込みながら、今季最速95マイル(約153キロ)が高めに行き左越えの適時二塁打を浴び、5回には甘いカットボールをキーアマイヤーに一時勝ち越しのソロを許した。「点の取られ方が凄くもったいなかった」と反省は忘れなかった。

 ただ、昨季から軸球の一つにと求めてきたシンカーへの手応えは深めた。「今日の中では動き、制球がまとまっていたボールの一つ」。真価を発揮すれば3年目で投球の幅はさらに広がる。

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