菅野、鬼門打破!神宮初勝利 「目いっぱい意識」してエースの仕事

[ 2016年4月14日 05:35 ]

<ヤ・巨>4回1死三塁、菅野は中前適時打を放つ。投手・館山

セ・リーグ 巨人8―0ヤクルト

(4月13日 神宮)
 完封で鬼門・神宮を突破だ。巨人の菅野智之投手(26)は13日、ヤクルト戦で2試合連続の完封勝利を飾った。神宮では昨季CSファイナルSを含めて7試合で0勝5敗だったが、今季初登板で好投。2013年の3連勝、14年の6連勝に次ぐ、自身3度目の開幕から無傷の3連勝となった。エースの力投でチームは両リーグ10勝一番乗りを果たし、単独首位に立った。

 ついに、勝った。菅野が鬼門を乗り越えた。4年目、通算8度目の登板で初めて手にした神宮での白星。クラブハウスへと続く三塁側フェンス沿いを、いつもより少しだけ胸を張って歩いた。

 「ホッとしてます。長かったですね。勝ってみると(苦手だった)気持ちも忘れる。そんなに勝ててなかったんだなと、不思議に思います」

 相手打線を分断した。「下位に打たれると、(ヤクルトは)上位が強力なので」と女房役の小林誠。下位から始まった3、6、8回を3者凡退で片付けた。2死満塁のピンチを背負った9回には、この日最速タイの150キロを計測。8回までは開幕から32イニング連続無四球と抜群の球威、制球で圧倒した。

 昨年のCSファイナルSを含めた過去7度の登板で0勝5敗。東海大3年時に自己最速タイの157キロを計測し「好きな球場」だったはずの神宮が、プロでは「鬼門」と化した。「意識はない。でも、何かあるんですかね」。登板試合を何度見返しても、目に見える技術面の問題はなかった。

 見つめ直したのは精神面。一時期は「意識しないようにしたい」と平常心で臨んでいたが、元来は人一倍、責任感の強い性格だ。昨年はチームも神宮で3勝8敗と大きく負け越し、責任を感じないはずがなかった。今春のキャンプ中、ふと、思いの丈を漏らした。

 「僕がしっかりしてないから。何とかしないといけない。立ち向かっていくように。今年は目いっぱい(神宮を)意識して、臨みたい」

 3月25日のヤクルトとの開幕戦(東京ドーム)に7回5安打無失点で勝利。「開幕に勝って(ヤクルト打線への)モヤモヤが消えた」と自信を深めて神宮のマウンドに立つこともできていた。

 打撃でも4回に適時打を放つなど、球団の投手では03年の桑田真澄以来となる2試合連続のマルチ安打。驚異の打率・556だ。本業でもハーラートップタイの3勝、防御率、勝率と主要3部門でトップに立った。巨人の新人監督では初の両リーグ10勝一番乗りとなった高橋監督も「(昨年まで神宮未勝利も)年が変わればね。それよりも、言うことのないピッチング」と頼もしげに振り返った。

 菅野は言う。「最後まで戦い抜いて、本当のエース」と。前回6日の阪神戦(東京ドーム)では2試合連続の中5日登板を苦にせず、自身初の2試合連続完封で鬼門を突破した。凄みを増したエースに立ちふさがるものは何もない。 (川手 達矢)

 ▼ヤクルト・川端 制球が良かった。全部良いところに決まっていた。

 ▼ヤクルト・雄平 ワンシームが前回(開幕戦)より曲がっていた。ジャストミートできなかった。ワンシーム(の曲がり)を意図的に変えてる感じがする。やられた感がある。

 ▼ヤクルト・杉村チーフ打撃コーチ 菅野は外角の制球が良かった。球の切れも良い。付け入る隙がなかった。

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