「カット打法」で甲子園沸かせた千葉 日大でリーグ戦初スタメン

[ 2016年4月14日 09:32 ]

12日の国学院大戦でリーグ戦初スタメン出場を果たした日大・千葉

 1メートル57。野球選手としては小柄な体だが、それを言い訳にしたことはない。日大・千葉翔太外野手(3年)は高校時代、帽子に「小さな巨人」と書いていた。

 3年前の夏。花巻東(岩手)の2番打者として甲子園に出場。追い込まれたら徹底的にファウルで粘って相手投手のスタミナを奪った。1試合で1人の打者に41球も費やした投手もいた。「カット打法」でファウルを重ねるたびに、観客からは拍手が起こった。チームの4強入りに大きく貢献した。

 コツコツと当てるスタイルで、足も速い。左打ちだから三遊間方向へ転がせば、安打の確率は上がった。2年前に亡くなった済美(愛媛)の上甲正典監督は、3回戦で対戦。千葉対策を練った。外野手1人を内野に回す「千葉シフト」に、甲子園はどよめいた。それでも千葉は、安楽(現楽天)から3安打を放ち、シフトを打ち破った。

 レベルの高い東都大学野球リーグ。日大に進学してからも、地道に努力を重ねた。「最初は木製バットに対応できなかったけど、今は慣れてきた」と、打力を磨いた。

 今年4月12日、国学院大との1回戦で「9番・中堅」でリーグ戦初スタメン出場。結果は2打数無安打に終わったが「初めてのリーグ戦で緊張したけど、楽しくやれた。神宮は広く感じた」と感想を口にした。翌日の2回戦では2四球を選び、役割を果たした。

 追い込まれてからバスターの構えで粘る「カット打法」は、もうやっていない。少しだけバットを短く持って、球に食らいつくのが今のスタイルだ。大学3年目で、ようやくスタートラインに立った「小さな巨人」に、今後も注目したい。(記者コラム・川島 毅洋)

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2016年4月14日のニュース