野茂&ダル超え!楽天・則本 史上初開幕3連勝オール2桁K

[ 2016年4月9日 05:46 ]

<楽・日>7回2死、中島を三振に抑え則本が雄叫びを上げる

パ・リーグ 楽天5―3日本ハム

(4月8日 コボスタ宮城)
 野茂、ダルを超える偉業で首位浮上だ。楽天の則本昂大投手(25)は8日、日本ハム戦で8回2失点11奪三振と好投し、自身の開幕連勝を3に伸ばした。開幕から3戦連続2桁奪三振は94年の野茂英雄(近鉄)、10年のダルビッシュ有(日本ハム)以来で、同時に3戦3勝するのはプロ野球初の快挙。チームは今季2度目の3連勝で、初優勝した13年以来の単独首位に立った。

 8回2死、この日の136球目。則本の右手から放たれた白球は、うなりを上げて嶋のミットに突き刺さった。近藤を内角直球で3球三振に抑えて、右の拳を握った。開幕3連勝&3試合連続2桁奪三振はプロ野球史上初の偉業。試合後には花束を受け取り、お立ち台で笑顔を振りまいた。

 「8回は自分のわがままでいかせて(続投させて)もらった。一人でできた記録ではない。皆さんに感謝したい」

 本調子ではなかった。4回までに78球で6安打2失点。力みと投げ急ぎで制球が定まらなかった。首脳陣から指摘を受け、フォームを微調整。6回に打線が3点を勝ち越すと、ギアが上がった。7回は3者連続三振で奪三振は9つに達した。「登板前から記録のことは知っていた」という右腕はベンチに戻り、与田投手コーチに願い出た。「もう1回いかせてください。ヒットを打たれたら代わります」。狙い通りに先頭の田中賢から137キロのフォークで空振り三振。最後は近藤も斬り、計11三振を奪った。

 昨年まで2年連続で奪三振のタイトルを獲得。三振へのこだわりは強く「流れを変えたり、チームを活気づけることもできる」と言う。理想の投手は13年にシーズン24勝無敗で球団初優勝に貢献した田中将大(現ヤンキース)。毎年1月に合同自主トレを行う大先輩を「田中さんは打線をリズムに乗せるためにイニングの3アウト目に三振を狙っていた。今年は自分もできるようになりたい」と目標に掲げる。過去2試合の計15イニングで3アウト目を三振で終えたのは半分以上の8イニング。この日も8イニングで4イニングを数えた。攻撃にリズムを与え、今季3試合で実に16点の援護を受けている。

 チームは3連勝で、優勝した13年以来の単独首位に浮上。梨田監督も力投した則本を「まさにエース。素晴らしい投球だった」と称えた。

 「今日はわがままも言って、野手の皆さんにも助けられた。次は安定した投球で自分が勝利に導きたい」。田中から則本へ、絶対エースの系譜が受け継がれつつある。(山田 忠範)

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