金本監督 初抗議で戦う姿勢も悔しい零敗「工夫足りん」

[ 2016年4月7日 08:11 ]

<巨・神>7回1死一塁からの梅野の打球の判定に抗議する金本監督

セ・リーグ 巨人3―0阪神

(4月6日 東京D)
 首位浮上を狙った阪神は6日、巨人戦(東京ドーム)で今季初の零敗を喫した。金本知憲監督(48)は6安打完封を許した宿敵エースをたたえながらも、「菅野のような投手を打つことが目標。工夫は見たかった」と『超変革』への途上にある打線に注文を付けた。就任後初めて審判に“物言い”を付けるなどチームの先頭に立って戦う姿勢も示し続けた。

 就任後、初めてスコアボードに9個の「0」が並んだ。打線が水ものであることは、痛いほど分かっている。菅野の状態がよかったことも、重々承知。「菅野は良過ぎたね」と相手の投球を認めた上で金本監督は打線へ苦言を向けた。

 「菅野のような投手を打つことが目標。速い力のあるボールに対して、力いっぱい振るだけが力負けしない…ではないから。だから早めにタイミングを取るとか、バットを短めに持つとか、コンパクトに振るとか、ステップを狭くするとか…」

 2回2死一、三塁、3回1死一、二塁。序盤の好機を逃した後、波に乗った菅野の前に4回以降はわずか1安打に封じられた。

 「そこで工夫は見たかったけどね、打者の。よかった、ハイ以上…というわけにはいかない。しっかり反省してほしい。次の対策、次につながる反省を選手個々がしてもらわないと。自分たちが感じ取って、菅野はこれがいいから、これを捨てて、これを狙おうとか。指示される前にね」

 開幕前、優勝を目指すために掲げたテーマこそ「エース撃ち」だった。「1年間を占う上でやはりエース級の投手を打ち崩していかないと、やっていけない。そういう投手を打たない限りは勝ちは見えてこない」―。だから、何が何でも…の姿勢が見たかった。菅野とは今月末、甲子園での3連戦で再戦が濃厚。この日の反省を、そこで生かさなければ意味がない。

 自らはファイティングポーズを取り続けた。7回1死一塁。左翼前方へ打ち上げた梅野の飛球は、中井がスライディングキャッチを試みる際どいプレーになった。ワンバウンド捕球ながら山路三塁塁審の判定が遅く、判断に迷った一塁走者の鳥谷が二塁封殺。ベンチを出て説明を求めた。

 「遅いわ。問題外よ、あんなの。(左翼手が)投げた後にジャッジしていたでしょ?あんなのありえない。ランナーどうすればいいの。固まるよ。どうしようもないもん。(やりとりは)“ジャッジが遅い”に“ハイ遅かったです”というね。遅いというより遅すぎるわ、あれは」

 判定が覆らないことは分かっていても、言うべきことは言った。監督として挑んだ初めての『伝統の一戦』は8得点快勝から一転した零敗で1勝1敗となり、7日の第3戦へ。「若い投手が投げるようだけど、油断はしないように」。相手はプロ初登板の平良。勝ち越しを甲子園への手土産にしたい。
 (惟任 貴信)

 ▼中村稔・二塁審判(責任審判)金本監督からは、判定が遅いのではないか、もう少し早くできたのではないかという話だった。三塁の山路審判員はそれに対して、難しい打球だったので慎重にジャッジしましたと説明していました。

 ▼阪神・高代ヘッドコーチ(7回、三塁塁審への抗議場面について)審判のジャッジが遅いということや。返球されてからのジャッジは、ジャッジとは言わんやろ。

 ≪菅野の前に21イニング連続無得点≫阪神は菅野(巨)の前に6安打で無得点。最後の得点は昨季8月20日の4回、福留のソロによる1点で、以降21イニング連続で無失点に抑えられている。

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