80周年に日本一を…ナゴヤD大改修に表れた若き中日ナインへの期待

[ 2016年4月6日 09:30 ]

5日のDeNA戦で7回無失点で今季2勝目を挙げた中日・若松。6回2死二塁、柴田を三振に仕留め、ガッツポーズで雄叫びを上げる

 球団創設80周年の今季、ナゴヤドームが新しく生まれ変わった。2016年のシーズン開幕に合わせ、オフにフィールドシートの新設やベンチの掘り下げなど、大規模な改修工事を敢行。現場の要望を聞きながら、総工費数億円を投資したという。

 沖縄キャンプを終えたチームが今年のドーム初練習を行った3月4日。ロッカーから出てきた選手たちが真っ先にベンチを見渡していた。2列並んでいたイスのベンチは、マツダスタジアムなどのように細い腰掛けに。前のフェンスに寄りかかる形のメジャースタイルになった。要望を出したという谷繁監督が、ニコニコしながら「どこに座るのがいいかな」と、前後に位置を変え、サインの見やすい場所を確認していた。オープン戦中に「新鮮ですね」と語りながら、「ボクは戦場にはイの一番に行くタイプだから、前に座るよね」と冗談めかして話してくれたのはベテランの荒木だった。

 ベンチだけではない。硬いと言われていた外野フェンスラバーはクッション性を高くした。マウンドも掘れにくい土に変更。3月25日の開幕直前、オープン戦最後の日程がナゴヤドーム7連戦だったのは、新しいものに慣れる意味合いもあったのかもしれない。一塁側、三塁側に計128席設置した臨場感あふれるフィールドシートも、好評だという。

 そんな大改修だけに、現場にかかる期待も大きい。

 年明け1月の年賀式。改修の詳細を説明した白井文吾オーナー(88)は「谷繁監督が監督専任になって、80周年で、負けるわけにはいかない。ぜひ日本一を。(名古屋の)都心で盛大に(パレード)行列をやりたいですね」と大号令をかけていた。勝つために、チームをバックアップしたということだろう。

 黄金期を支えたレジェンドたちが引退し、一気に若くなったチーム。3年連続Bクラスからの逆襲へ。キャプテン平田は開幕戦前に宣言していた。「今季は80周年の節目。リーグ優勝できるように、名古屋を盛り上げられるように。勝つ気持ちを、1試合1試合、持ってやっていきたい。ボクもすごく楽しみにしています」。始まったばかりのシーズン。様変わりしたドームで、フレッシュな、ファンを楽しませる戦いぶりを期待していたい。 (細川 真里)

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2016年4月6日のニュース