川島抹消…工藤監督、あらためて改革要求 併殺崩しにもルールを

[ 2016年4月5日 06:23 ]

投手練習を見守る工藤監督

 ソフトバンク・工藤公康監督(52)が4日、二塁への危険なスライディングに関して警告し、コリジョン(衝突)ルールに準じた措置が必要との認識をあらためて示した。3日の日本ハム3回戦で田中賢のスライディングを受けて負傷した川島慶三内野手(32)は4日、出場選手登録を外れた。当日の診断では右下腿部打撲だったが、復帰に要する時間が長期化することも考えられことから警鐘を鳴らした。

 選手がケガで離脱することに何より胸を痛める工藤監督があらためて訴えた。「審判の裁量ではあるけれど、しっかりやってほしいとは思う」。負傷した川島の症状が思いのほか重い可能性が出てきた。「(3日に病院から帰ってきた時は)松葉づえをついていた。直接足にスライディングがいっているので…。当面は難しい」。この日、福岡市内で再検査を受けたはずだったが、球団からの診断発表はなかった。それでも、出場選手登録を抹消されたことから、10日間以内での復帰は無理だと判断したのは間違いない。

 工藤監督は3日の日本ハム・田中賢のスライディングについて「走路にいる場合は仕方ないけれど、そうではない場合はホームだけじゃなく二塁についても考えてほしい。(川島は)ホームに投げようとしていたわけだから走路にはならないと僕は判断した」と背後から接触したことを問題視した。

 今季から導入されたコリジョンルールも運用が始まらないと不透明な部分もあったが「クロスプレーでのケガをなくすことが目的だから、あとは話し合ってやっていけばいい」と柔軟な姿勢を見せていただけに二塁での接触プレーについても準じた判断を求めた。

 併殺阻止のための走塁について、大リーグ機構(MLB)は今季から危険なスライディングを禁止としたが、日本球界では未導入。ルール上問題はないとしても、今回のような事例が多発するようでは選手生命に危機にさらされる。

 危険プレーに関して指揮官は「僕自身も選手には言っているし、うちにはいない」と話した。監督就任以来、コンディショニングの重要性を説きケガ防止を最優先してきただけに、プレー中の出来事とはいえ、放っておくわけにはいかなかったことは想像できる。迫力あるプロのプレーと危険行為の線引きをどこでするかは難しい判断でもあるが、防げる事態を放置しておくことで選手生命が脅かされることがないようにするのが工藤監督の願いだ。

続きを表示

2016年4月5日のニュース