ルール導入前の二塁で負傷者が…工藤監督 併殺崩しに怒「残念」

[ 2016年4月4日 06:31 ]

<日・ソ>6回無死一、三塁、中田の三ゴロで二封された田中のスライディングを危険だとして抗議する工藤監督

パ・リーグ ソフトバンク3―4日本ハム

(4月3日 東京D)
 ソフトバンク・工藤監督が鬼気迫る表情で二塁塁審に詰め寄った。1―0の6回無死一、三塁。中田の三ゴロを処理した松田が二塁に送球し、川島が捕球した直後だ。

 三塁走者を目でけん制し「5―4―3」の併殺を狙ったが、一塁走者・田中賢のスライディングに両足を引っ掛けられて転倒した。故意に走路を外れた危険行為にも見えたプレー。指揮官の抗議は約5分間に及んだが、守備妨害は適用されない。三塁走者・西川の生還が認められ、同点にされた。

 「危険なスライディングじゃないかと思い抗議したけど、アンパイアはそうではなかった。結果的には打撲だったけど、ああいうプレーは防ごうと話してきたので残念」。負傷退場した川島は試合中に都内の病院で検査を受け、右下腿部打撲と診断された。

 大リーグでは今季から「併殺崩し」を狙った二塁付近での危険なスライディングを禁止する新ルールを導入。日本でも本塁での危険な衝突を防ぐコリジョンルールに続き、来季以降に導入される流れもある。そのため、指揮官は二塁への危険なスライディングも見るように審判に求めていたことを口にし、無念の表情を浮かべながら「これをきっかけに考えてくれれば」と話した。

 判定が覆れば併殺で、1点リードのまま2死三塁でプレー再開だった。抗議で武田の投球の間が空いたことも影響したのか、2死二、三塁からレアードに勝ち越し3ランを被弾。工藤監督は「選手を守る側として言わなければいけないが、間が空きすぎた部分はある」と認めた。後味の悪い逆転負け。今季初めて同一カード3連戦の負け越しを喫し、借金1に戻った。三笠杉彦球団統括本部副本部長は「映像を見返したが、(一、二塁間の)走路を外れた危険なプレー」とし、4日にもパ・リーグに意見書を提出する。

 ▼佐々木昌信・球審(田中賢の走塁について)危険極まりないと判断すれば(危険行為)だが、きょうの走塁はベースに向かっていて、その上で川島と激突してしまった。

 ▼日本ハム・田中賢(スライディングで川島が負傷交代したことについて)本塁へ投げようとしていたから(川島が)避けられなかったと思う。

 ▽公認野球規則6・01(a)(6) 走者が、明らかに併殺を行わせまいとして故意に打球を妨げるか、または打球を処理している野手を妨害したと審判員が判断したとき、審判員は、その妨害をした走者にアウトを宣告するとともに、味方のプレーヤーが相手の守備を妨害したものとして打者走者に対してもアウトを宣告する。この場合、ボールデッドとなって他の走者は進塁することも得点することもできない。

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