開幕黒星も新井奮闘2安打 右手親指打撲の不安一蹴

[ 2016年3月26日 09:06 ]

<広・D>7回2死、左前打を放つ新井

セ・リーグ 広島1-2DeNA

(3月25日 マツダ)
 セ・パ両リーグが25日に同時開幕し、広島は本拠地でDeNAに惜敗。2点を追う8回に菊池の左犠飛で1点差に詰め寄ったものの、反撃は届かなかった。その中で新井貴浩内野手(39)がキラリと光る2安打。カープの「25」番を背負って3092日ぶりに「H」ランプをともし、2000安打まで残り27本とした。ベテランは26日、第2戦での雪辱を誓った。

 試合後のベンチ裏。本拠地での開幕戦を2年連続で落とし、ナインの顔つきはさえなかった。マルチ安打を放ち、好スタートを切った新井も全力を尽くした分、表情に疲れがにじむ。空を見つめながら言葉を探し、少しの間を置いて、打撃内容への問い掛けに答えた。

 「ボールの見え方はまずまず。ただ、もうオープン戦じゃない。公式戦なので、どんな状況でも打たないといけない」

 カープの「25」番を背負い、07年10月7日のヤクルト戦(神宮)以来、3092日ぶりに安打を刻んだ。まずは2点を追う7回2死走者なしの場面。フルカウントからの7球目、井納の真ん中高め直球を叩くと、強いゴロは三遊間を抜けた。

 最終9回にも勝利への執念をみせる。同じく2死走者なしで、カウント2―2から敵の守護神・山崎康が投じた6球目、高めシュートをコンパクトに振り抜き、中前へ運んだ。通算1973本目の安打。ただ、2本の安打が得点に、勝利に結び付かないのがむなしい。

 「今年の井納は出来がいい。チャンスは少ないと思っていたけど、野手の正面を突く不運な当たりもあり、手も足も出ない感じではなかった。ただ、相手からチャンスをもらった8回、あそこで追い付きたかった」

 緒方監督がポイントを振り返る。2点を追う、その終盤8回。制球に苦しむ2番手・三上から2四球と盗塁、暴投で1死一、三塁の好機を得た。菊池は1―2からの低め直球を左犠飛。「最低限の仕事ができた」。なおも2死二塁としたが、丸は一ゴロに終わった。

 「オープン戦で状態のよかった選手は内容がいい。経験があっても結果が出ない者もいる。今年は全員で戦う。試合展開によってはやっていく」

 指揮官はナインの状態を冷静に分析し、菊池と丸を9回の守備で交代させた采配に言及した。好内容の選手の1人が新井なのは言うまでもない。20日のソフトバンク戦で負った右手親指打撲の不安を一蹴するマルチ安打。ベテランは第2戦に意識を切り替えて言った。

 「明日。明日の試合でまたしっかりやりたい」

 シーズン本番。打って勝つのみ。26日、先発・黒田とともに背番号「25」が投打でチームを今季初星へと導く。(江尾 卓也)

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2016年3月26日のニュース