「ヘリコプター打法」全開！滋賀学園・馬越　甲子園初アーチ

＜釜石・滋賀学園＞８回、馬越は左越えに２ランを放つ

第８８回選抜高校野球大会２回戦 滋賀学園９―１釜石

（3月25日 甲子園）
　最後の仕上げは完璧だった。クルクルと回っていたバットのヘッドがピタリと止まり、初球のチェンジアップを捉えた打球は左中間席に飛び込み跳ねた。５点リードの８回、１点を加えなおも２死二塁、滋賀学園の４番馬越は三塁まで全力疾走後、ゆっくりと生還し、高校通算１６号となる甲子園初アーチを喜んだ。

　「感触はあったんですが、外野に跳ね返ってきたのでフェンスに当たったのかと思った」

　初回１死一、三塁で先制の右前打。４回２死二塁では左中間に適時二塁打するなど４打点の活躍。昨秋県大会から磨きをかけてきた「ヘリコプター打法」を全開させた。

　２０日の桐生第一戦後に山口達也監督から「体の動きが悪い」と指摘された。大会登録体重は８２キロだが、実際は９２キロ。３日前から「油もの禁止令」が出され夕食はご飯にサラダ、味噌汁だけ。焼き肉食べ放題の店では塩タン１５人前を平らげロース、てっちゃんで白米を食べる大食漢。「店の人に嫌な顔をされていると思う」と苦笑いするが「体のキレが出てきた」と食事制限の効果を認めた。

　２戦連続２桁安打の猛打で滋賀勢の歴史を塗り替え続ける滋賀学園が「８強の壁」も打ち破る。