青森山田 またも春1勝ならず…堀岡1失点完投も遠かった1点

[ 2016年3月26日 05:30 ]

<敦賀気比・青森山田>青森山田ナインは敦賀気比に敗れ引き揚げる

第88回選抜高校野球大会1回戦 青森山田0―1敦賀気比

(3月25日 甲子園)
 11年ぶり2度目の出場だった青森山田は、1回戦でセンバツ連覇を狙う敦賀気比(福井)に0―1で惜敗。またも春1勝はならなかった。先発した堀岡隼人投手(3年)は3回に1点を失ったものの、力投を続けて3安打完投。ナインは1点の重みを胸に、夏の甲子園でのリベンジを誓った。

 あと1点が遠かった。東北王者としてセンバツ連覇を狙う強豪に挑んだが、0―1での敗戦。昨秋明治神宮大会で敗れた相手にまたも屈した。エース堀岡は「1度負けた相手。挑戦者として向かっていったけれど、もうちょっと自分の球に力があれば」と、失ったわずか1点を悔やんだ。

 敦賀気比のドラフト候補・山崎との投げ合いに「向こうは経験豊富だし良いピッチャー。でも、負けたくない」と強気に挑んだ。緩急を使って2回まで無失点の立ち上がりも3回だ。最速141キロをマークするなどして2死としたが、内野安打と四球でピンチを招くと林中に外角低めの直球を右前へ運ばれて先制を許してしまった。

 「ベストに近い球だと思ったけれど、相手が上だった。球に力が足りなかった」。それでも4回以降は持ち味の打たせて取る投球で1安打に抑えた。8回完投で3安打1失点の内容には「凄い打線を1点に抑えられたのは自信になった。投げていて凄く楽しかった」。兜森崇朗監督は「よく頑張ってくれた。秋に比べて球威も制球も一段上がった。投げ損ないの球も減ったし、1点に抑えたのも評価できる」と称えた。

 昨秋明治神宮大会準決勝でも敦賀気比に5―8で敗れた。堀岡は登板こそなかったが「敦賀気比との力の差、体格差を感じた」とウエートトレーニングで体重増に取り組んできた。さらに練習の合間におにぎりを食べるなど、多い日で1日5、6食を詰め込むなどして8キロ増量。84キロとなり「同じ力の入れ具合で以前よりも良い球がいくようになった」と手応えをつかんでいた。課題だった制球難も下半身が安定したことで克服しつつあり、この日の5四死球にも「死球は攻めた結果。一冬やってきた練習の成果は出たと思う」と振り返った。

 「山崎は勝負どころで抑えきっていた。僕は抑えられなかった。そこがこれからの課題」。敗れはしたものの相手右腕から多くを学んだ。同校は夏の甲子園は09年を最後に遠ざかっている。「甲子園は立っているだけで幸せな場所。ここに帰ってこられるようにもっと練習したい」。堀岡が夏への一歩を踏み出した。(松井 いつき)

続きを表示

2016年3月26日のニュース