高松商 劇的!26年ぶり勝利 延長10回暴投で決着

[ 2016年3月25日 05:30 ]

<高松商・いなべ総合学園>延長10回無死三塁、暴投でサヨナラ勝ちし喜ぶ高松商ナイン

第88回選抜高校野球大会1回戦 高松商7―6いなべ総合学園

(3月24日 甲子園)
 1回戦3試合が行われた。昨秋の明治神宮大会優勝校で20年ぶり出場の高松商(香川)は、延長10回サヨナラでいなべ総合学園(三重)を撃破。第1回大会など過去2度優勝の伝統校が、26年ぶりのセンバツ勝利を飾った。創志学園(岡山)は最速150キロ右腕・高田萌生投手(3年)が好投し、東海大甲府(山梨)を下して甲子園初勝利。海星(長崎)は長田(兵庫)に辛勝した。

 逆転し、逆転されて、追いついた。そして最後は劇的サヨナラ。高松商は延長10回、先頭の美濃が右越え三塁打で出ると、続く植田理の3球目が暴投となって生還。熱戦に終止符を打った。

 7回に2点リードをひっくり返され、8回に失策絡みで2失点。8回裏の攻撃前には3点差があった。米麦(よねばく)主将は、その時のベンチ内の様子を振り返った。「みんなから声が出ていた。いけるという感じだった」。経験値がものを言った。昨秋の明治神宮大会決勝は敦賀気比を相手に7回まで0―3。8回に5点、9回に3点を挙げて初優勝した。「神宮で終盤に逆転できたことが自信になっている。負ける気がしなかった」。前向きな気持ちが、劣勢を揺り動かした。

 8回。四球と二塁打で出塁した走者を、内野ゴロ2本で生還させる。「それまではフライばかりだったが、低い打球で走者を進めるうちらしい野球ができた」と長尾健司監督。持ち味発揮で5―6に迫ると、9回は1死からチーム一の俊足・安西が死球で出た。指揮官は「これまでも安西に走らせて勝ってきた」と腹を決め「行けたら行け」のサインを送った。

 50メートル5秒9。中学時代は野球と陸上を掛け持ちし、100メートル走の香川中学王者でジュニア五輪にも出場した足を、勝負どころで見せた。「思い切ってスタートしました」。決死の盗塁に成功して1死二塁。竹内の遊撃強襲打で追いついた。

 過去2度のセンバツでのサヨナラ勝ちは、優勝に結びついた。1924年1回戦と、60年の決勝だ。初代王者へ弾みをつけた24年初戦は和歌山中を相手に、3点差を逆転して7―6。展開と最終スコアは今回と同じだ。高校野球きっての古豪に進撃の予感が漂う。 (水口 隆博)

 ≪60年は決勝でサヨナラ弾≫高松商がセンバツでサヨナラ勝ちするのは、1924年1回戦(7―6和歌山中)、60年決勝戦(2―1米子東)に次いで3度目。60年はセンバツ決勝で唯一のサヨナラ本塁打による決着。

続きを表示

この記事のフォト

2016年3月25日のニュース