掛布2軍監督 初采配は完敗も収穫「今やろうとしている野球してくれた」

[ 2016年3月16日 06:28 ]

<神・中>3回、空振り三振の江越に声をかける掛布2軍監督

ウエスタン・リーグ 阪神2―9中日

(3月15日 鳴尾浜)
 阪神の掛布雅之2軍監督(60)が15日、ウエスタン・リーグ開幕戦の中日戦(鳴尾浜)で初采配を振り、2―9で完敗を喫した。初陣を勝利で飾ることはできなかったが、指揮官は収穫を強調。選手の全力疾走を高く評価し、「今やろうとしている野球をしてくれた」と手応えを示した。

 注目の初采配は2―9の完敗。それでも掛布2軍監督の表情は明るかった。重要視する走塁への高い意識を、選手から感じとったからだ。

 「負けたなあと。完敗ですよ。ただ、一人一人の選手が、走ることに関して強い意識を持ってやってくれていた。悔しいは悔しいんだけど、僕自身いい手応えを感じている。(全力疾走は)1年間続けなきゃいけないものなので、その意識を忘れずに続けていけば必ずいい流れが出てくると思う」

 特に目に留まったのは8回の江越の激走。2死一、二塁から遊ゴロ失策で好機が広がった場面だ。この回、得点はならなかったが「ショートゴロでのファーストまでの全力疾走というのは今やろうとしている野球をしてくれた。(2軍にいる)悔しい気持ちを持ちながらも、そういう姿を見せてくれたのは収穫」と称賛。江越も「調子が悪くてもできることなので。できることはしっかりやりたい」と話した。

 指揮官は2軍は1軍を支えるためにあると自覚している。2年目の江越は不振で2軍調整を余儀なくされているが、本来は1軍でレギュラーを奪わなければならない存在。今はそのホープを戦力として送り出すことが最重要任務だと感じている。試合前にも勝敗以上に若武者のことを気にかけていた。

 「この開幕3連戦でどんな結果を残してくれるか気になる。勝敗よりも。良い形で結果を残せば、1軍開幕に向けてチャンスがあるしね。江越が打って勝てればベスト」

 勝ちにはつながらなかったが、江越は打撃でも復調のきっかけをつかんだ。5回に一塁内野安打。7回先頭でも左翼へ会心の二塁打を放った。

 確実に浸透しつつある“掛布イズム”。白星以上の収穫を手にした船出だった。(柳澤 元紀)

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2016年3月16日のニュース