コリジョンルール初適用 真中監督困惑「プレー消極的になる」

[ 2016年3月16日 07:47 ]

<ヤ・広>2回2死一、二塁、山崎の返球を落球したので中村は右手にボールを持って二走松山にタッチに行く

オープン戦 ヤクルト1―8広島

(3月15日 神宮)
 今季から導入された本塁での危険な衝突を防ぐ「コリジョン(衝突)ルール」が初適用された。

 2回のヤクルトの守りだ。2死一、二塁で広島・会沢が左前打した場面。捕手は返球がそれた場合は走路上での捕球が認められるが、中村はこれを落球。その場で球を拾い直してスライディングしてきた二塁走者・松山にタッチ。山口球審は「アウト」を宣告した。ヤクルトナインはベンチに引き揚げたが、ビデオ判定の結果、判定は覆って「セーフ」となった。試合後、責任審判の森二塁塁審は「ブロックです。中村選手がそういう行為をしていなければ得点が入った」と説明。落球後、中村が右足を折り曲げて走路をふさいだ行為がブロックと判断された。

 「とっさに足が出てブロックの形になった。球を落としていなければアウトだと(審判に)言われた。落とした僕が悪い」と反省した中村だが、新ルールに伴う規則によりプレー直後に警告が宣告された。山口塁審から「警告2回で(中村は)退場になります」と説明を受けた真中監督は「累積2枚で退場なんて初めて聞いた。故意ではない。コリジョンプレーでも警告しないとか考えてもいいのでは」と警告の基準などについても戸惑いの表情を浮かべた。セ・リーグのアグリーメント(申し合わせ事項)には明文化されていないものの、(1)同ルールで判定が覆った場合は原則として選手に警告が与えられる(2)警告2度で退場、とはすでに各球団に審判員から説明がなされている。

 ただ、中断後、再びマウンドに上がった館山が連打を浴びて3点を失うなど流れが変わったのも事実。指揮官は「2度で退場は厳しい。きょうのプレーで警告なら消極的になる。捕手が2人態勢のチームが多い中でなかなか厳しい」とルール運用に一石を投じた。(平尾 類)

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2016年3月16日のニュース