西武と早大が共同研究「野球観戦が高齢者の健康に与える効果」で測定会

[ 2016年3月14日 18:03 ]

 西武と早大が共同で研究する「野球観戦が高齢者の健康に与える効果」に関する説明会と初回測定会が14日、西武プリンスドーム内で開かれた。早大スポーツ科学学術院の樋口満教授が代表研究者となり、スポーツ観戦が高齢者にどのような効果を与えるのかを今季終了までの期間に継続して調査を実施する。

 今回の研究には、所沢市、入間市、日高市、狭山市、飯能市に住む60歳以上の男女約70人が参加する。球団は内野自由席のフリーパス(2カ月間有効)を被験者に無償提供して協力。70人をランダムに2グループに分けて、A群はシーズン前半戦、B群は同後半戦の試合をそれぞれ観戦(月2回以上)する。今後は6月の中間測定会、9月の最終測定会でアンケート調査などを通じてQOL(生活の質)調査、身体活動量、認知機能などの調査。年内をめどに研究結果をまとめるという。

 高齢化社会におけるスポーツ観戦やそれに付随するコミュニケーションの活性ががもたらす効果や有益性を検証することが今回の研究の目的だ。樋口教授は「スポーツといえば自らが体を動かす肉体的な健康促進をイメージする場合が多いが、スポーツを観戦するという行為で肉体だけでなくメンタル面で健康になってもらいたい。その上で成熟した高齢化社会づくりを目指していければ」と話している。研究によって効果を証明できれば、自治体による高齢者対策としてスポーツ観戦の導入が検討される可能性もあり、研究結果に注目が集まる。

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2016年3月14日のニュース