巨人選手が公式戦で現金 1試合14万円、「験かつぎ」と説明

[ 2016年3月14日 13:50 ]

 野球賭博に4選手が関与していたことが発覚したプロ野球巨人で、選手が自チームの公式戦の勝敗に絡んで現金のやりとりをしていたことが14日、分かった。試合前の円陣で「声出し」と呼ばれる発声を担当した選手が、勝ち試合の後で他の選手から金銭を受け取るルール。昨秋の日本野球機構(NPB)の調査で判明したが、野球協約違反はないとして公表していなかった。

 巨人の森田清司総務本部長は東京・大手町の球団事務所で取材に応じ、1試合当たり投手と野手で計最大14万円が動いていたと明らかにした。その上で「験かつぎの色合いもあり、賭け事とは全く異質の行為。(わざと負けるなどの)敗退行為とは全く正反対」と説明したが、野球賭博につながるような金銭絡みの実態があったことがあらためて浮き彫りになった。

 巨人によると、投手と野手に分かれて円陣が組まれ、試合に勝てば声出し役がそれぞれ1人から5千円ずつを受け取り、負ければ1人に千円ずつを支払っていたという。球団によると一部を除き参加していた。1軍登録メンバーは投手が12人、野手が16人程度であることが多くそれぞれ約6万円、約8万円が動いていた。連勝中は声出しの担当者は変わらず、勝ち続ければ受け取る総額は大きくなった。

 チームが低迷していた2012年のシーズン初頭に始まったという。森田本部長は「縁起のいい声出し役にみんなでご祝儀を出そうとなった」と金銭の受け渡しが始まった経緯を説明。一部報道でチームが連勝すると額が増加すると報じられたことには「レートが跳ね上がることはなかった」と否定した。

 森田本部長は公表していなかった理由を「NPBの公表しないとの判断に従った。そもそも賭け行為ではない。額も少額。公表するまでもない、というような判断があったのも確か」と述べた。ただし「誤解を招く恐れがある」として禁止したという。高橋由伸監督は昨季まで現役選手だった。森田本部長は「誰が参加し、参加していなかったかはまだ明確に分かっていない」と選手名には言及しなかった。

 巨人は昨年、福田聡志(32)、笠原将生(25)、松本竜也(22)の3選手が野球賭博に関わったとして無期失格処分を受け、契約を解除。今月8日に高木京介投手(26)の関与も明らかとなった。

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2016年3月14日のニュース