メッセ 開幕投手指名に“御礼”快投「“君に任せた”と…」

[ 2016年3月13日 05:30 ]

<神・日>5回1安打1失点と好投したメッセンジャー

オープン戦 阪神0-1日本ハム

(3月12日 甲子園)
 阪神のランディ・メッセンジャー投手(34)が12日、日本ハムとのオープン戦(甲子園)に先発し5回1安打1失点と順調な調整ぶりをアピールした。金本知憲監督が開幕投手を公表してから初の実戦マウンドで、信頼に応える御礼快投。本番となる25日の中日戦(京セラドーム大阪)へ障壁も見当たらず、開幕戦は頂いたも同然だ。

 ベンチで見守るボスの決断が間違いでなかったことを示した。メッセンジャーが開幕投手にふさわしい力強い投球で日本ハム打線をねじ伏せた。
 「1安打に抑えてるんで良い投球だったね」
 エースの矜持がにじんだのは4回だ。2死から前の打席で左翼席へソロ本塁打された中田を迎えた。ボールになったが初球に投げたのは被弾したカーブだった。オープン戦とはいえ、やり返さないことには開幕投手の名がすたる。カウント2ボール2ストライクから最後は外角低めへ、この日の最速148キロ直球で見逃し三振に斬った。

 「(カーブは)低くしっかり投げられていた。本塁打にするのは(中田が)素晴らしい打者だ。打たれても、消したくなかった。自分の球種を信じて、打てるものなら打ってみろという気持ちで投げた」

 試合前に岡崎と話し合い、ここまでの実戦で精度の低かったカットボールとスライダーを中心に配球を組み立てた。終わってみれば、許した安打は本塁打の1本のみで、5回1失点6奪三振。「(カット、スライダーで)空振り、弱いゴロもあって、打者崩すことができた。良いサインだと思う」と掲げた課題もすっきりクリアし、金本監督も「心配無用」と信頼の一言を口にした。

 6日に指揮官が公表してから初マウンドで期するものはあった。キャンプ最終日に監督室に呼ばれてかけられた言葉一つ一つが胸に響いていた。

 「“オフにトレーニングしてきてくれてありがとう。開幕は君に任せた”と言ってもらった。一つの目標だったし、オフもそのことだけを意識してやってきた。うれしいし、誇りに思う。恥じないように頑張るだけだね」

 開幕戦の相手、中日は主軸が軒並み打撃不振で、チーム打率・189、17得点はいずれも12球団最低。今のメッセンジャーが打ち崩されるシーンは想像しがたく、快投の予感が漂う。開幕まで登板は残り1試合。脅威を感じない相手よりも、ベストコンディションを維持することが“務め”なのかもしれない。

 「(オープン戦で確認すべき部分は見当たらないが)完璧主義者なので、求めるものは出てくる。もう1試合、しっかり投げたいね」

 満ちあふれる自信の中に、慢心はない。最高の準備で迎える「3・25」。指揮官に初めてのウイニングボールを渡すのは、背番号54だ。(遠藤 礼)

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2016年3月13日のニュース