今季も独走?ソフトB 対外試合13戦無敗 控え中心で8回逆転勝ち

[ 2016年3月13日 05:30 ]

<ソ・ヤ>8回1死一、三塁、代打・カニザレスの犠飛でヘッドスライディングで生還する三走・川島。捕手・中村

オープン戦 ソフトバンク4-3ヤクルト

(3月12日 ヤフオクD)
 開幕メンバーが決められない!?王者ソフトバンクは12日、昨年のセ・リーグ覇者ヤクルトに4―3と逆転勝ち、ついに10連勝。今季の練習試合、オープン戦は13戦負けなしとした。2点を追う8回に明石、カニザレスらの代打攻勢でヤクルトの守護神候補オンドルセクを攻略。分厚い選手層の中、投打とも控え選手がアピールし、工藤公康監督(52)もうれしい悲鳴を上げている。

 開幕まで2週間を切ってもメンバーを絞り込めない。試合後、工藤監督は報道陣に問いかけた。「(1軍のメンバーを)絞ってもらっていいですか?というくらいだね。みんなだったらどうする?悩ましいよね。うれしい悩みだよね」。こみ上げてくる喜びを抑えきれず、笑みがこぼれる。

 あきれるほどの強さだ。2点ビハインドの8回にスコアボードに残った先発メンバーは7番・中村晃、8番・今宮だけ。途中出場した川島の投手強襲安打で1死一、二塁とすると右脇腹痛で4日の阪神戦(ヤフオクドーム)以来出場のなかった明石が代打で中前適時打を放つ。さらに1死一、三塁からは「打球を上げることだけを考えた」と代打・カニザレスが同点の右犠飛。続く高谷の右前適時打で逆転だ。試合開始時はベンチを温めた男たちが、ヤクルトの守護神候補を攻略した。

 打っただけではない。カニザレスの右犠飛は間一髪だった。三塁走者・川島は右翼・上田の送球を横目で確認し、ヘッドスライディングに切り替え生還した。捕手のブロックが禁じられた新ルールを利用した頭脳的な走塁。「上田の送球も100点だった。(旧ルールならば)アウトだったと思います」と川島。決勝点のホームを踏んだ明石は2死一塁から二盗を成功させた。決勝打の高谷は守備でも2つの盗塁阻止。分厚い選手層から一歩、抜け出そうという姿勢が強さの理由だ。

 これで、2月18日の練習試合(対韓国ロッテ、アイビー)で始まった連勝は10(3分け含む)まで伸び、対外試合は13戦無敗だ。「それほど多くないチャンスを生かし、相手の勝ちパターンの投手を攻略してくれた。いいですね。ナイスゲーム!」。工藤監督も満足そうだ。

 圧倒的勝利ではない。ただ、土俵際に迫られようとも徳俵を割らない横綱相撲は、底知れぬ強さを感じさせる。7試合。史上初となる無敗でのオープン戦制覇さえ、夢物語とは思えないほどの充実ぶりだ。(福浦 健太郎)

続きを表示

この記事のフォト

2016年3月13日のニュース