12年目の苦労人、阪神・岡崎 初開幕マスク見えた 金本監督「一番近い」

[ 2016年3月11日 05:30 ]

<神・D>2回2死二塁、北條の中前打で二塁走者・岡崎は本塁を狙うもタッチアウト

オープン戦 阪神5-2DeNA

(3月10日 甲子園)
 12年目を迎えた阪神・岡崎太一捕手(32)が、開幕戦となる3月25日の中日戦(京セラドーム大阪)の先発マスク候補の最右翼に浮上した。10日のDeNAとのオープン戦(甲子園)で2二塁打し1打点。金本知憲監督(47)から「かっこええ構えになった。レギュラーに一番近い」と大絶賛された。

 課題だった打撃で岡崎が首脳陣に強烈なインパクトを与えた。寒風吹きすさぶ甲子園で放った2本の二塁打。オープン戦打率は・455まで上昇し、金本監督も賛辞を惜しまない。激戦が続く定位置争いにあり、12年目の苦労人が開幕マスクへ大きく前進した。

 「(打席内の)構えもだいぶ変わったね。かっこええ構えになっている。最初、去年の秋から僕もかなり入れ込んで教えてきたけどね。雰囲気が出てきた。守備面では、矢野コーチは(岡崎を)一番評価している。それで彼が打ったら、もう。打撃さえ良くなったら、レギュラーに一番近いとは思うけどね。(開幕マスクは)直前まで分からないけど」

 2回2死、三嶋の難しい内角直球を左翼線へ運ぶと、続く4回1死一塁ではヒットエンドランのサインに対応し内角球をうまく捉え、三塁線を破る痛烈な一打。一塁走者・高山を迎え入れ、オープン戦初の適時打で初打点も記録した。

 指揮官の先の発言にもあるように、矢野作戦兼バッテリーコーチの中でもディフェンス面での評価は高い。ここに打力が伴えば、おのずと25日に迫る中日との開幕戦への道が開けてくる。実現すれば、球団生え抜き捕手では9年目の吉田康夫(94年)を抜き、最も遅い開幕マスクとなる。小宮山、梅野だけでなく、ベテラン鶴岡も控える布陣だが、岡崎が一気に抜け出す展開も十分にあり得る。

 「(1打席目は)たまたまです。(2打席目は)強い打球を打つことを意識した。チャンスを与えられたら結果を出す。守っているときは投手を0に導きたい」

 試合後は多くの報道陣に囲まれたが、岡崎に笑顔は一切なし。気を抜くような時期でないことは、誰よりも自覚している。昨年までのプロ11年間で1軍出場はわずか41試合。チャンスを与えられることも決して多くはなかったが、腐ることなく、黙々と目の前の練習に打ち込んできた。野球に対する真摯な姿勢は、周囲も認める。サクセスストーリーを地でいく32歳が「開幕」を手にすれば…。金本阪神における超変革の象徴となる。
 (森田 尚忠)

 ▼阪神・矢野作戦兼バッテリーコーチ(捕手陣について)みんな良い競争ができているよね。(8日の西武戦は)隆太郎が2安打したし(6日の巨人戦では)小宮山もタイムリーを打った。守りの方もしっかりやっているしね。

 ≪吉田に並ぶ最年長≫阪神の生え抜き捕手で初めて開幕マスクをかぶったのが30歳以上だったのは、94年吉田康夫(32歳、9年目)のみ。32歳の岡崎が今季の開幕捕手に名を連ねると吉田に並ぶ最年長、入団12年目は最も遅咲きとなる。

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