雄星 開幕手応え5回7K「応援されるにふさわしい人間に」

[ 2016年3月11日 05:30 ]

<日・西>5回1失点と好投した菊池

オープン戦 西武2-4日本ハム

(3月10日 鎌ケ谷)
 青写真通りだった。西武・菊池は初回、先頭の陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)を外角低めのチェンジアップで空振り三振。3回に再び陽岱鋼を迎えると、対照的な攻めを見せた。この日最速の150キロ直球を内角に投じて見逃し三振。右打者を外角のチェンジアップと内角の直球で打ち取るというテーマを体現した。

 「1軍の打者から三振が取れたのは自信になる。やりたいことはできた。結果に満足しているし、収穫は多かった」。5回を3安打1失点、7三振を奪った。約2週間後に控えた自身初となる開幕投手に向けて、確かな手応えをつかんだ。

 開幕戦を想定した「脱力投法」が好投につながった。「今までは大事な試合になると力んで自滅するパターンが多かった。体がぶっ壊れるぐらい投げていた」。この日の試合前、女房役の炭谷から助言をもらった。「5~6割の力で投げてくれ。半分の力で投げてもスピードは変わらないと実感した方がいい」。力を抜き、フォームのバランスを意識したことで制球が安定。田辺監督も「コントロール重視だったと思う。良かったんじゃないか」と目を細めた。

 岩手県盛岡市出身の菊池にとって、11日は特別な日だ。東日本大震災で自宅や家族が被害に遭った同級生も多く、「津波で亡くなった友達もいる」と沈痛な表情を浮かべた。この5年間、野球人としてできることを考え続けてきた。「自分が勝って、岩手の皆さんに喜んでもらうことしかできない。まずは応援してもらうのにふさわしい人間にならないといけない」。まずは3月25日のオリックスとの開幕戦。本拠地のマウンドで躍動する姿を見てもらう。 (重光 晋太郎)

続きを表示

2016年3月11日のニュース