36歳富士重工・林 ドラフト候補山岡撃ちV弾「あんな4番になりたい」

[ 2016年3月11日 05:30 ]

<東京ガス・富士重工>8回、富士重工の林は中越えに勝ち越しソロを放つ

東京スポニチ大会Cブロック 富士重工4―3東京ガス

(3月10日 神宮)
 3会場で予選リーグ5試合が行われた。連覇を狙う富士重工は入社15年目の大ベテラン・林稔幸外野手(36)が、東京ガスの今秋ドラフト候補・山岡泰輔投手(20)から8回に決勝ソロ。4―3で競り勝った。阪神・榎田大樹投手(29)の実弟で日本新薬の宏樹投手(27)は、西濃運輸相手に6安打完封勝利を飾った。11日は3会場で予選リーグ8試合が行われる。

 完璧な当たりだった。3―3の8回無死。4番・林は山岡が投じた外角への141キロを振り抜いた。打球はバックスクリーンへ一直線。マウンドで崩れ落ちる16歳年下の右腕を尻目に、36歳の大ベテランが悠然とダイヤモンドを回った。

 「山岡は良いスライダーを投げていた。少ないチャンスをものにしたかった」。相手は今秋ドラフト候補の注目右腕。貫禄を見せつける一発に「最高の打球。神宮のバックスクリーンに入ったのは初めて。失投を逃さず振っていこうと思った結果」と控えめに喜んだ。

 入社15年目。昨年は侍ジャパン社会人日本代表で4番も務めるなど、長打力は衰えていない。それでも「結果を残せなければ引退する覚悟でやっている」という。一年でも長く続けるためには「準備が大切」と、大会前には走り込みと振り込みを増やして体を追い込む。今年はケガ防止とさらなるパワーアップを目指し週4回のウエートトレーニングを課した。

 「体がきついこともあるけど、結果で応えないといけない。今年は外野争いも激しいし、危機感は常にある」。だからこそ、空振り覚悟でフルスイングを徹底する。第一線で戦い続けるために歩みを止めない姿勢。それが山岡の失投を捉えた決勝弾につながった。

 昨年「ミスター社会人野球」の異名を取ったHondaの西郷泰之が43歳で引退。林には、後継者としての期待がかかる。「西郷さんを超えるなんて思ったこともない」と謙遜するが「あんな4番になりたい」。大会連覇へ、「新ミスター社会人野球」が今年もチームを引っ張る。  (松井 いつき)

 ◆林 稔幸(はやし・としゆき)1979年(昭54)12月21日、茨城県生まれの36歳。土浦日大高から立正大を経て、02年に富士重工入社。1年目から主軸を担い、4年目から4番に座る。07年のワールドカップ日本代表を皮切りに5度の日本代表入り。06、07年に社会人ベストナイン受賞。11年に都市対抗10年連続出場表彰。家族は妻と2男1女。1メートル80、78キロ。右投げ右打ち。

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