高木京も!巨人賭博関与4人目 渡辺最高顧問らトップ3総辞職へ

[ 2016年3月9日 05:34 ]

引責辞任が発表された(左から)渡辺最高顧問、白石オーナー、桃井球団会長

 巨人は8日、東京・大手町の読売新聞本社で記者会見し、高木京介投手(26)が野球賭博に関与していたと発表した。昨年11月に福田聡志投手(32)、笠原将生投手(25)、松本竜也投手(22)の3人が無期の失格処分を受け、契約解除となったばかり。渡辺恒雄最高顧問(89)、白石興二郎オーナー(69)、桃井恒和球団会長(69)が後任が決まり次第引責辞任すると発表し、高木京は8日付で謹慎処分となった。

 3投手の無期失格処分が熊崎勝彦コミッショナーから下った昨年11月10日から119日。信頼回復の途上で、球界のイメージをさらに悪化させる、球団4人目の賭博関与者が発覚した。午後7時40分から行われた緊急会見。久保博球団社長は深々と頭を下げた。

 「去年の事件があり、再生を誓って出発したが、ファンの気持ちを2度裏切ることとなった。球団の責任者として申し訳ない。重ね重ね痛恨の極み。去年、うみを出し切れなかった責任を痛感している」

 昨年の野球賭博を受け球団では全選手を対象としたヒアリングを実施。さらに球団内に「紀律委員会」を新設し、世間へ向けた体質改善をアピールしたはずだった。しかし、3投手の野球賭博に関し、日本野球機構(NPB)の調査委員会で野球賭博常習者と認定された飲食店経営B氏と高木京が、笠原元投手を通じてつながっていた。

 球団は2月29日に週刊文春から高木京の野球賭博関与を示唆する取材を受けたことで、翌3月1日に調査を開始。当初は否定した高木京から、この日になって関与の事実を確認した。高木京が野球賭博を行っていたのは14年4月下旬から5月上旬までの計8、9試合で、総額で50万円から60万円負けたという。この時期は高木京は1軍登録されており、試合でも登板していた。

 森田清司総務本部長は「高木は笠原が賭けていた試合と同じ試合に賭けていた。NPBの調査では、笠原が巨人戦に賭けた証拠はない」とし、本人も八百長行為に関して否定しているという。現時点では、1年間の失格処分または無期の失格処分となる野球協約第180条の有害行為に該当するとし、一両日中にコミッショナーに告発する。最終的な処分は告発後にNPBの調査委員会の調査を経て、コミッショナーの判断に委ねられる。

 高木京は8日付で謹慎処分となり、球団は渡辺最高顧問、白石オーナー、桃井球団会長の引責辞任も発表した。昨年11月の3投手の野球賭博では、原沢敦球団代表が辞任したが、今回は監督の人事権など、球団の最重要事項の決定権を持つ渡辺最高顧問をはじめとする球団首脳が一斉辞任。「(開幕には)賭博に関与していない選手たち、相手チームがある。首脳が責任を取って辞任することをもって、ぜひ参加させてもらいたい」と久保社長は訴えたが、事態は深刻だ。先月には元巨人のスター選手だった清原和博容疑者が覚せい剤取締法違反(所持)で現行犯逮捕された。球団に対する世間の疑惑の目はいっそう厳しくなる。

 14日に行われる予定だった、財界人らでつくる激励会「燦燦(さんさん)会」と16日の球団激励会の中止も決まった。球界の盟主の不祥事は、プロ野球界全体の信用失墜を招く結果となった。

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2016年3月9日のニュース