マー君、野茂以来の2年連続開幕投手有力に 指揮官が示唆

[ 2016年3月8日 05:37 ]

<フィリーズ・ヤンキース>2回2死一、三塁、ロウを空振り三振に仕留める田中

オープン戦 ヤンキース5―6フィリーズ

(3月6日 クリアウオーター)
 ヤンキースの田中将大投手(27)が6日(日本時間7日)、フィリーズ戦で今季オープン戦初登板した。昨年10月の右肘骨片除去手術後初めての対外試合は、2回2安打無失点、2奪三振の好結果。ジョー・ジラルディ監督(51)は、調整が順調に進めば4月4日(同5日)のアストロズ戦で開幕投手を任せることを示唆した。昨季は敗戦投手となった開幕戦。2年続けて大役を担えば、日本投手ではドジャース・野茂(03、04年)以来2人目となる。

 田中がアクセルをグイッと踏み込んだ。2回2死一、三塁。それまでの27球で90マイル(約145キロ)超えは、わずか2球だけだった。この日最大のピンチでメジャー5年目の8番・ロウを左打席に迎え、姿を変えた。

 初球の91マイル(約146キロ)直球は真ん中に甘く入ったが、振り遅れのファウル。2球目はこの日の最速、92マイル(約148キロ)の直球だ。これは内角高めに外れたが、3球目は92マイルのツーシームを同じ内角から曲げてストライク。最後は膝元に鋭く切り込むスライダーで空振り三振に斬った。

 「走者を背負った場面で出力を上げたい時に上げて、しっかり腕を振っ て投げることができた。(最速92マイルは)上出来だと思う。そんなに出ているとは思わなかった」
ロウに投じた3球の速球系は全て91マイル超。右肘手術明けの初登板で狙ってギアを切り替え、打者を押し込めたことは収穫大だった。初回を8球で片付け、2回は連続安打で陥った窮地を脱出。上々の31球を見届けたジラルディ監督は開幕構想への確信を強めた。

 オープニングゲームで田中を起用するかと問われ「今後の状態を見ていかないといけない」と前置きしつつ、「彼は昨季のプレーオフ(ワイルドカードゲーム)第1戦でも先発した。我々の先発陣でNo・1だと考えている」と力説。1度の登板で飛び出した、事実上の開幕投手指名だった。順調にいけば2年連続で大役を務めることが確実になった田中は、1カ月後への手応えを問われて「それはもちろんあります」と言い切った。

 その4月4日は、因縁の相手との再戦となる。アストロズ、そしてそのエース、昨季20勝のサイ・ヤング賞左腕カイケル。いち早くア軍開幕投手に指名された男と、田中は昨年10月6日のワイルドカードゲームで投げ合い、敗戦投手になった。5回2失点、83球での降板。「絶対的な投手ならあそこで降板させられていない」と今でも悔しさを胸に刻む。1月の自主トレ公開で発した「(エースの立ち位置を)バリバリ意識していく」との言葉は、その試合が原点となっている。

 エースとは「圧倒して勝つ」との信念がある。「もっと自在にボールを操れるように調整していきます」。倒すべき相手を倒す一年最初のマウンドを見据え、投球にまだまだ磨きをかけていく。(クリアウオーター・東尾 洋樹)

 ▼ヤンキース・サンチェス(有望株の23歳捕手は田中と初めてバッテリーを組み)とてもいい投球だった。2回は少しトラブルになったけど、慌てずに構えたところに投げてくれた。アンビリーバブルだ。

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