松中信彦氏が引退決意した舞台裏 支えてくれた家族を前に涙

[ 2016年3月3日 10:00 ]

涙をぬぐう松中信彦氏(C)TBS

 1日に引退を表明した元ソフトバンクの松中信彦氏(42)。昨年10月に退団してから約5カ月、現役続行を模索し引退を決意するまでの日々が、5日に放送されるTBS「バース・デイ」(後5・00~5・30、関東ローカル)で明かされる。

 プロ野球の球団からのオファーを待ち、2月の春季キャンプに合流してアピールする。その目論みで19年間プレーしたソフトバンクを退団後、オフを返上して10月から体作りを始めた。

 平成唯一の三冠王で、2006年の第1回WBCでは4番に座り王貞治監督率いる侍ジャパンを世界一へ導いたスラッガー。実績から言えば、自由契約を自ら選択し移籍先を探すのは異例のことだった。

 今年1月にはグアムでバットを握り、ひたすらボールを打ち込んだ。それでもオファーはなかった。「せめて、キャンプで、テストだけでもしてほしい」。球団関係者に電話し、今の体の状態を見てほしいとと訴えた。あらゆる手立てを使い、野球を続ける道を探した。

 「今の監督もね、どんどん若くなってるし、チームも見ると若返りになってるので。なかなかチャンスっていうのはないと思うんですけど、そういうことばっかり考えてももうしょうがない」

 2月1日、プロ野球の春季キャンプが始まっても、声はかからなかった。その後は社会人時代のチームで練習を続けたが、2月下旬に厳しい現実を受け止め、決断。妻・恵子さん(42)、3人の息子へ現役引退を告げた。

 「オファーがあって、違うユニフォーム着て、元気な姿でプレーするのが、一番喜んでくれたと思うんですけど、これはこれとして、しょうがないです」。応援し続けてくれた家族、野球が続けられると信じている子どもたちを前に、涙をこらえきれなかったが、決意に揺るぎはなかった。

続きを表示

2016年3月3日のニュース