DeNAドラ1今永 徹底内角攻めで山田K斬り5回0封

[ 2016年3月3日 09:50 ]

<D・ヤ>DeNA先発の今永は5回を投げ1安打無失点、ヤクルトに三塁を踏ませないピッチング

オープン戦 DeNA9―0ヤクルト

(3月2日 横浜)
 内角低めを狙って、思い切り左腕を振った。DeNAのドラフト1位・今永が投じたフルカウントからの6球目。真ん中高めの危険なボールゾーンにいったが、勢いがある。自己最速タイの148キロ直球。山田のバットは空を切った。横浜スタジアムのスタンドが大きく沸いた。

 「山田さんはオーラがあった。空振りは結果オーライ。きょうは腕が振れていたので」。初回2死走者なしで、昨季トリプルスリーを達成した1歳年上と対戦。宣言通りに内角を攻め、空振り三振を奪った。4回の2度目の対戦でも徹底して内角を攻めた。「そこに投げないと拾われてしまう」。今度は要求通りに内角低めへの144キロ直球で三ゴロに仕 留めた。山田を「(第1打席は)粘り強くいこうと思ったが、空振りしてしまった。良い投手」と脱帽させた。

 「内角へ恐れずに投げられたのが一番の収穫。納得のいく球も多かったので良かった」。本拠地デビュー で5回1安打無失点。オープン戦初登板で白星を手にした22歳ルーキーの唯一のピンチは3回に先頭・大引に二塁打された場面。無死二塁と初めて得点圏に走者を背負っても焦らない。キャンプ中の実戦。開幕投手の山口が走者を背負ってもどっしりとかまえて投げ続ける姿を目に焼き付けていたからだ。「そういう姿を見て勉強した」。だから表情一つ変えずにピンチを切り抜けた。3回に球が浮き始めていた直球をバッテリーを組んだ同じ新人・戸柱の「目線が上がっている」という助言ですぐに修正する順応性も発揮した。

 これで実戦3試合で12イニング連続無失点。チームも前年覇者のヤクルトを投打で圧倒した。本拠地で初めて指揮を執り、オープン戦初勝利を挙げたラミレス監督は「打者に向かって行く姿が素晴らしい。きょうは文句なし!」と新人左腕を絶賛し、あらためて本拠地開幕カードの巨人戦で登板させることを明言した。プロ初登板は30日の第2戦が有力だ。「横浜スタジアムはやっていて気持ち良かったし、マウンドは投げやすかった」と今永。デビュー戦への予行演習を最高の形で終えた。(中村 文香)

 ▼巨人・吉原孝介スコアラー(今永のデビュー戦で対戦する相手)直球がとても力強い。コントロールが非常にいいという印象。右打者に対しても懐を突くことができていた。きょうのような投球をされると、うちとしてもしっかりと準備をしておかなければ。

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2016年3月3日のニュース