ヤクルトドラ2広岡に漂う大物感 宮本2軍監督も認める“原石”

[ 2016年3月1日 09:30 ]

仲の良さをアピールするヤクルトのドラフト2位・広岡(左)と同4位・ジュリアス

 宮崎市内から車でおよそ45分。のどかな景色の広がる西都市でヤクルトの2軍が2月25日までキャンプを行っていた。キャンプも終盤のある日、球場を訪れると松井優典ファームディレクターから言われた。「広岡を見ていってよ」。視線の先には右打席から鋭く、伸びていくような打球を飛ばす打者の姿があった。

 ドラフト2位で智弁学園から入団した広岡大志だ。1メートル83、81キロの体格は、プロの中に入ってもすでに遜色ない。宮本2軍監督も「使いたくなる選手。将来ヤクルトのレギュラーポジションを担える素材で、原石といえる」とべた褒めだった。

 その日は全体練習を終えると、課題の守備力向上のため、水谷2軍内野守備走塁コーチに志願して特守を受けた。水谷コーチがかつて、守備の教えをたたき込まれ、レギュラー奪取に至るまで指導を受けたのが広岡達朗氏。そして今、同じ苗字の18歳が水谷コーチの教えを受ける。不思議な縁で結ばれる師弟は30分以上、特訓に励んでいだ。

 広岡にとって初めてのキャンプは野球漬けの毎日。特守後には先輩たちから遅れて一人でランニングメニューをこなした。「自分、ヘボいんで。練習を続けて活躍できるようにするしかないんです」と謙そんしながらも「気持ちの面では負けたくない。負けず嫌いなので、そういう気持ちは強く持ってやっています」と目をギラつかせた。

 しかしまだ18歳。キャンプ第1クールのこと。疲れた体で参加したミーティングで、あろうことかウトウトしてしまったのだという。宮本監督の指名を受けて、その後は監督の隣でミーティングを聞くことになったのだとか。「本当に練習がきつかったので…」とバツの悪そうな広岡に、宮本監督は「ちょっと抜けているというか、それが大物感を出している」と笑った。

 キャンプも終わり1軍同様、2軍も実戦が本格化する。高校生ながらドラフト1位指名された楽天・オコエやロッテ・平沢の話題が目立つが、「燕のドラ2」はどんな成長を遂げていくのだろうか。原石が光り輝く日が楽しみだ。(記者コラム・町田 利衣)

続きを表示

2016年3月1日のニュース