楽天 オコエから新人トリオで1点 ドラフト打順1、2、3番つないた 

[ 2016年2月26日 05:30 ]

<ソ・楽>3回2死一、二塁、茂木の適時打で生還する二走・オコエ

練習試合 楽天2―9ソフトバンク

(2月25日 アイビー)
 開幕前哨戦で新人トリオが大奮闘だ。楽天は25日、3月25日の開幕戦(コボスタ宮城)で対戦するソフトバンクと練習試合を行い、ドラフト1位・オコエ瑠偉外野手(18=関東第一)、同2位・吉持亮汰内野手(22=大商大)、同3位・茂木栄五郎内野手(22=早大)がそれぞれ指名順に1、2、3番で先発出場した。3回2死からオコエが左前打で出塁し、吉持が四球でつなぎ、茂木が右前適時打。新人野手では球団史上初となる開幕スタメンを目指し、切磋琢磨(せっさたくま)する。

 しぼみかけたチャンスをルーキーたちが取り戻した。3点を追う3回、先頭・島内が四球で出塁したが、続く嶋の一ゴロ併殺打で2死走者なし。口火を切ったのはオコエだ。2010年に興南のエースとして甲子園で春夏連覇を成し遂げた島袋の143キロ、内角直球を左前にはじき返した。

 「きょうは全部の打席が良かったが、ヒットは芯で捉えられた」

 初回こそ、千賀の速球に対して右飛に倒れたが、プロ初の1番に座った18歳がリードオフマンらしい働きでチャンスメーク。高卒新人の活躍に刺激を受けたのが大卒新人の2人だ。吉持が四球を選び、2死一、二塁と好機拡大。そして茂木が島袋の初球、外角高め143キロの直球を狙い打ちした。一、二塁間を破る右前打。二塁からオコエが快足を飛ばして生還だ。

 「四球の後だったので、ピッチャーはストライクを取りにきたくなる。飛んだコースが良かった」と茂木。新人トリオが合わせて9球で昨季の日本一チームから1点を奪った。スタンドを埋め尽くした鷹ファンもあっぱれの拍手を送った。

 試合前の円陣。オコエは先輩たちから声出し役に指名され「開幕戦相手、しっかり行きましょう。さあ、行こう!」と力強く叫んだ。ところが、ナインはわざと静まり返り、数秒の沈黙の後に大爆笑。18歳はイジられキャラとして、すっかりチームに溶け込んでいる。

 練習試合ながらルーキー3人を1、2、3番に並べるのは異例中の異例。梨田監督は言う。「彼らは本当に戦力と思い、使った。強いホークスに対し、新人にいろんな経験をさせたかった」。即戦力として高く評価しているからこそ、ちょうど1カ月後に開幕を控えたこの時期に場数を踏ませたかったのだ。その起用に見事に応えた新人トリオ。梨田監督は「鮮やかな点の取り方だね」と目を細める。新人野手が開幕スタメンに名を連ねれば、球団史上初の快挙となるが、指揮官は「ゼロではない。可能性はあるよ」とチャンスがあることを示唆した。

 オコエは「まだまだそこまで考えていない。ベンチ入りできたらいいなというぐらい」と謙遜したが、茂木は「3人で一緒に頑張ろうというより、こいつには負けたくないという気持ちでやっている」とオコエや吉持の存在が刺激になっている。3月25日。本拠地・コボスタ宮城の電光掲示板に新人トリオの名前はあるのか。開幕戦が待ち遠しい。 (徳原 麗奈)

 ▼ソフトバンク・王貞治球団会長(オコエについて)たいしたもんだよ。1年生であれだけのものが出せるとはね。走塁も良かったね。スターになれる可能性がある。野球界にとって、お客さんを喜ばせる選手の出現は大きい。楽しみ。

 ▼吉持(3回に四球を選び)選球眼 には自信がある。粘 って出塁して、2 アウトから点が取れてよかった。

 ≪3人開幕先発なら57年ぶり≫ドラフト制以降、開幕戦で同一球団の新人野手先発出場は2人が最多で09年横浜(松本、山崎)まで7度。パでは5度あるが、前回00年近鉄(山下、前田)は梨田監督指揮下での抜てきだった。ドラフト制以前では2リーグに分立した50年に新規参入球団の国鉄が最多の新人野手7人を起用。3人なら59年大洋(麻生、桑田、金光)以来57年ぶりになる。なお楽天の新人で開幕戦に先発出場したのは13年投手の則本だけ。野手では06年西村(代走)、08年聖沢(守備のみ)、12年島内(代走)といずれも途中出場。野手が1人でもスタメンに名を連ねると球団史上初だ。

続きを表示

この記事のフォト

2016年2月26日のニュース