金本監督 笑い止まらん!ドラ1高山に絶賛の嵐「ちょっと予想以上」

[ 2016年2月26日 06:45 ]

<神・日>いい!高山(右)の奥で笑顔を見せる金本監督

練習試合 阪神7―1日本ハム

(2月25日 宜野座)
 阪神のドラフト1位・高山俊外野手(22=明大)が25日、沖縄・宜野座キャンプに合流して、いきなり練習試合の日本ハム戦に「7番・DH」でスタメン出場。1軍、初安打を放った。金本知憲監督(47)からも「完成型に近い。言うことない」と打撃を絶賛され、一気に外野手戦争の主役に躍り出た。

 特別ルールによって設けられた9回裏の攻撃。本来はなかったはずの高山の4打席目で、待望の1軍初安打が出るのだから強運の持ち主だ。無死一塁で、フルカウントから屋宜の真ん中145キロ直球を鋭くピッチャー返し。グラブをはじき、強襲の内野安打とした。

 「うれしいですね。まだまだ結果に納得はいっていないですけど。課題も色々と見つかって、本当に充実した1日になりました」

 2回2死での第1打席はフルカウントから右腕・高梨の直球に手が出ず、見逃し三振。同じ新人の左腕・加藤と対戦した5回の第2打席は左飛、そして左腕・瀬川との7回の第3打席も左飛に倒れていた。「もう少し真っすぐを1球でとらえたかった」。うれしい一打にも笑顔は控えめで、反省材料が口を突く。試合後は特打を敢行した。

 それでもだ。中心打者になれる素材がほしいと昨秋のドラフトで1位指名を決断した金本監督が、この日の4打席だけで間違っていなかったと確信した。打席での構えに惚れ込んだ。スイング、そしてフォロースルーまでの一連の動きに満点に近い点数を付けた。

 「フォーム的には、ほぼ完成されているよね。完成型に近い。あとはゲームにどう慣れていくかだけ」

 昨年10月の右手有鉤(ゆうこう)骨骨折から長いリハビリを経て、春季キャンプはファームからスタートした。掛布2軍監督に約3週間、密着指導を受けた。バットの握りから、スタンス幅、右膝の使い方…。多くの金言を吸収してたどり着いた一流の打撃フォームからの、一流のスイングだった。

 「ちょっと予想以上。彼の好きなように、当面はやらせる。壁にぶつかるまでは何も言うつもりもない。彼のスタイルでやればいい。今のままでいいと思うよ。好きなように試せばいいと思う」

 今キャンプでは主将の鳥谷や、4番のゴメスにさえも打撃面で“メス”を入れた通算2539安打の指揮官が、現状で欠点が見つからないという。それでも、プロ1年生は成長速度をゆるめる気はない。「僕はまだまだ上がっている段階。これからもっともっと精度が上がっていく」

 大和、横田、江越、中谷らで繰り広げられる外野手争い。金本監督の構想の中に、はっきりと「高山」の名前が刻み込まれた。 (久林 幸平) 

 ▼中日・佐藤スコアラー きょう1日目で緊張もしていたのではと思う。良いスイングで良い軌道。評価は変わらない。初球から良いスイングだった。良いものを出していけば、名前も出てくるだろうし、対策も強くなっていく。当たったときの打球は飛ぶし、その確率は上がっている。

 ▼広島・井生スコアラー 結果は出なかったけど、最初というのもあったし、結果が出始めれば変わる。スイングも強いから飛距離も出る。

 ◆高山 俊(たかやま・しゅん)1993年(平5)4月18日生まれ、千葉県出身の22歳。日大三では1年秋から右翼レギュラー。春夏通算3度の甲子園出場で3年夏に全国制覇。明大では1年春からベンチ入りし、ベストナイン6度。通算131安打で東京六大学リーグ新記録を樹立。15年ドラフト1位で阪神入り。1メートル81、86キロ。右投げ左打ち。

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